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無人ヘリで飛行技術競技大会 JA佐賀みどりペアに大臣賞
《農水協・全推協》

緊張した面持ちで競技にのぞんだ
緊張した面持ちで競技にのぞんだ

 (社)農林水産航空協会・全国産業用無人ヘリコプター推進協議会(関口洋一会長)(後援:農林水産省)は11月1日、茨城県水戸市の農林水産省農業技術研修館において、全国から96組の競技参加者を得て『全国産業用無人ヘリコプター飛行技術競技大会』を開催した。
 第14回を数えるこの競技大会は「無人ヘリの甲子園」として定着し、無人ヘリの飛行技術の向上とともに情報交換の場ともなっている。開催にあたり関口会長は、「農家の高齢化の中で、無人ヘリへの期待がますます高まっている。日頃の成果を遺憾なく発揮してほしい」と参加者を激励した。
 競技への参加資格は、累計20ha以上の薬剤散布経験者、地域ブロックのオペレーター部会長および都道府県の無人ヘリ推進協議会から推薦されたオペレーター、さらに予選会を突破したオペレーターなどとなっており、全国選りすぐりのオペレーターたちが勢揃いした。
 競技では、オペレーターと合図マンがペアを組み、コース間に水を散布しながら左・右方向にそれぞれ2往復の標準散布飛行を行い、飛行の安定度と技能の精度などを競った。
学んだ技術の地元での実践を
学んだ技術の地元での実践を
 審査内容は離着陸、飛行中の速度・高度、飛行間隔、スタートラインおよびフィニッシュライン手前旋回・移動とオーバーランなど25項目におよび、審査は持ち点3600点の減点方式で行われた。
 栄えある農林水産大臣賞に輝いたのは、3517.94点を獲得したJA佐賀みどりの畑島学さんと浜野夏雄さんのペア。喜びもひとしおだが、「この賞に甘んじることなく、いっそう飛行技術に磨きをかけ、安全フライトと農家の期待に応える適正防除に努めたい」(畑島さん)と目を輝かせる。

 【解説】無人ヘリは、水稲をはじめ、小麦、大豆、野菜、果樹、レンコン、松くい虫などの幅広い散布に利用され、平成16年度には散布面積で約66万haと有人ヘリ(約35万ha)のそれを凌いだ。平成17年度の散布面積は全国で約70万haと予想されている。
 ちなみに、平成17年9月末現在の機数は約2100機。オペレーターは約1万1200人を数え、「年度末には約1万2000人に達する」(農水協)という。
 無人ヘリ伸長の背景としては、農作業の効率性を高めたこと、きめ細かな作業を実現したこと、さらに、飛行速度10〜20km/時・飛行高度3〜4mという諸元のもとでの薬剤散布を実現したことなどが挙げられる。
 無人ヘリは、広く高齢化や担い手不足に対応したものだが、その延長線上には地域農業全体の省力化や活性化があるのではないか。急速な普及拡大の中で、高度な飛行技術の習得とともにいっそうの安全対策が問われている。

(2005.11.9)


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