農業協同組合新聞 JACOM
   
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変革の時代に組合が結束し 新たな機能の創造を目指す
《全農薬》

 全国農薬協同組合(松木三男理事長、本部:東京都千代田区・240組合員)が10月28日、創立40周年を迎えた。
 昭和28年の農薬工業会、日本植物防疫協会の設立を基軸として、昭和20年代後半〜昭和40年代にかけて植物防疫行政および植物防疫関連団体などがその体制を固めていったが、ここに来て一つの転機を迎えていることも事実だろう。経緯や今後の抱負を松木全農薬理事長に聞いた。

松木理事長
松木理事長

 「組合員の相互扶助の精神に基づいたもの」と、松木理事長は全農薬創立の主旨を語る。当時、商系卸業者としては各県卸商組を会員とした全国農薬商業協同組合連合会(全商連)が結成(昭和27年)されていたが経済的基盤も盤石なものとはいえず、これを強固な組織に結集するため農薬の経済事業(共同購買事業)を中心とした組織として全農薬が結成(40年)された。
 新組織を牽引したのは、殺菌剤のダイセン水和剤だ。全農薬の一元販売で結束力を高めたもので、この意味では三洋貿易の果たした役割は計り知れない。組織として「情熱を燃やしていた」(松木理事長)もので、切り替えられた総合殺菌剤のジマンダイセンも好評を博し、順調に事業を伸ばす中で全農薬の経営基盤を確立していった。
 その後、ジマンダイセンの競合品としてペンコゼブがでてくる。いわゆるジェネリック(特許切れ)農薬と呼ばれるもので、外資系を中心にR&D(研究開発)への再投資ができにくくなっていることから、このジェネリック農薬への対応こそ将来的な課題の一つとして残されそうだ。
 ともあれ、三洋貿易としては後発品に危機感をもち独自の特約店組織である「錦会」ルートと全農薬ルートの併売に至った。現在、「錦会」はアグロパートナ−ズの「陶農会」に変遷しているが、「経済事業の核にあったジマンダイセンの取扱の減少は全農薬にとって大きな打撃となった」(同)ことは否めない。
 現在、全農薬の事業の柱には経済事業と教育安全事業がある。前述の通り前者は、ジマンダイセンを中心に10数商品を取り扱い、取引メーカーも2桁におよぶ。後者は、日本植物防疫協会に委託している研修会で、「農薬安全コンサルタント」を養成するもの。これを中軸に組織化した全国農薬安全指導者協議会(安全協)の活動は、地道だがもっと高く評価されてもよいのではないか。
 全農薬では、農薬取締法の改正や安全・安心な農産物生産などに対応するために独自の企業倫理を構築している。「農業そのものが大きな変革の時期にあり、組合の新たな機能を創造していくことが大切」(同)とした言葉が印象に残る。
 昭和20年代後半〜昭和40年代にかけて体制が固められた植物防疫行政と植物防疫関連団体。「背景には、食料増産に向け農薬需要が増えたことから、総合的なシステムの構築といった社会的要請があった」(同)が、現在の植物防疫・農薬産業はいっそう社会的な責任や安全に対する責任を自覚しなくてはならない時代に突入しており、新たな創造を謳う全農薬の今後に期待したい。


◇戦後の主な植物防疫行政および植物防疫関連団体などの動き◇

▽昭和21年10月 農薬統制令廃止、農薬協会発足
▽  22年 5月 認定農薬検査規定施行
▽  22年 6月 農薬検査所を設置
▽  22年10月 農薬統制協会解散、農薬振興会発足
▽  23年 7月 農薬取締法公布(8月施行)
▽  25年11月 植物防疫推進協議会設立
▽  26年 2月 農林省植物防疫課設置
▽  27年 6月 全国農薬販売協同組合連合会設立
▽  28年 4月 農薬協会解散、農薬工業会設立
▽  28年 6月 日本植物防疫協会設立
▽  29年 3月 全購連機構改革、資材部に農薬課新設
▽  30年 7月 全購連、農薬の全利用共同計算運動を展開
▽  33年 4月 植物防疫全国協議会発足
▽  37年 2月 農林水産航空協会設立
▽  39年10月 クミアイ農薬協議会発足
▽  39年11月 日本植物調節剤研究協会設立
▽  40年10月 全国農薬協同組合設立
▽  44年 4月 農薬工業会、世界農薬工業連盟(GIFAP)に加盟
▽  45年 5月 残留農薬研究所設立
▽  46年 1月 農薬取締法の改正(昭和の大改正)
▽  50年10月 日本農薬学会発足
▽平成15年 3月 農薬取締法の改正(平成の大改正)

(2005.11.16)


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