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食品残渣のオカラを有機肥料に
《矢崎総業・新潟部品》

 矢崎総業(株)(本社:東京都港区・矢崎信二社長)の関連会社・新潟部品(株)では、環境関連の新規事業として、栃尾市名産「あぶらげ」の製造によって発生するオカラを利用し有機肥料を製造する「食品リサイクル事業」を、12月21日より開始する。
 この事業は、油揚げ事業者から出るオカラを主原料とし、これに地元スーパーから出る野菜くずを混合し、10日間ほど処理機内で発酵させて有機肥料を製造するもの。当初は日量2トンの食品残渣を処理して、日量400kgから600kgの有機肥料を製造し、市内で有機農業に取り組んでいる生産農家に販売する計画だ。販売価格は未定。
 新潟部品(株)では、有機肥料製造事業を今後さらに発展させ、「同社製有機肥料を使用して栽培した農産物を地元スーパーに販売する事業」や、「地元の農家と農業法人を設立して安全な農産物を生産する事業」へと広げていきたい考えだ。
 栃尾の「あぶらげ」は、全国に知られた特産品だが、その製造にともない、日量2トンのオカラが毎日発生しており、そのほとんどが焼却処分されている。オカラは栄養価が高く、以前は食用や家畜の飼料として広く利用されていたが、食生活の変化や輸入飼料への移行などで、現在は廃棄物として処理されている。
 新潟部品(株)は、自動車部品ワイヤーハネスの製造を目的に、栃尾市に設立されたが、工場の海外進出などで国内経済の空洞化が進行する中、地元社会に貢献でき、さらに雇用面で成果が期待出来る新規事業を模索していた。「食品リサイクル事業」は2003年から研究に着手していたものだ。

(2005.11.24)


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