農業協同組合新聞 JACOM
   
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微生物を基準にした土壌の分析法を開発
《ステビア推進機構》


ステビアを栽培する畑も増えている=茨城県で。
ステビアを栽培する畑も増えている
=茨城県で。
 微生物の数を顕微鏡で見て農地の地力を類推する方法を、有機農法の支援団体「ステビア農産物流通推進機構」が開発したと5月10日発表した。衰えた地力を回復する土づくりが広がっているが、改良の基準が肥料の3要素分析などに留まっていては不十分として、土壌微生物に着目。それをカウントして土壌の現状をつかみ、微生物を増やして改良を進めるのがねらい。
 診断する畑や果樹園の土の一部を顕微鏡で拡大した画像を生産者が直接見て、微生物の動きや多少を確かめることができるというわかりやすいシステムだ。
 有機農法で、たい肥を入れ、畑で完熟させても、まだ昔ながらの野菜の味には今一歩。そうしたケースは「たい肥の品質が問題」と同機構の増崎照幸理事長は指摘する。「高品質のたい肥をつくり、土壌微生物を増やすには、たい肥にステビア剤を入れるのが一番有効だ」ともいう。
 ステビアは南米パラグアイ原産のキク科植物。その茎などから抽出した液やパウダーを農業資材として使うステビア農法が全国に広がっている。同機構は、有機農法を支援する非営利団体として、ステビア農法を普及する目的もあって、今回のシステムを開発した。
 ステビア資材は、有機物を摂る微生物を爆発的に増やすという。微生物は糖質を好むのでサトウキビも利用できるが、その場合は、収穫後の作物が日持ちしないマイナスがある。
 同機構は10日から公式ホームページを開設し、土壌分析などの情報を公開しているが、今後は土壌改善事例のデータベース化をはかり、さらに簡単に改善が実施できるようにする。
 システムの名称は「AQCS」(アクシス)。

◇  ◇  ◇

 同機構によると、ステビア資材を使っている農家数は全国で5000。うち1000人ほどが作物を出荷していると推測。イトーヨーカ堂などの一部店舗がステビア作物のコーナーを開設しており、また大田市場をはじめ全国40市場で取り扱っているが、ロットが少ないため、まだブランド化されていないという。
 このため同機構は、生産者間の技術交流などをはかり、産地づくりによる安全安心・美味のブランド化を目指している。
 自治体主体のたい肥製造では全国10施設でステビア資材を使用。またJAのたい肥製造でも九州などで使用が増えている。
 同機構は青果市場役員、自治体首長、大学教授、生産者らによって今年2月に設立。今月から土壌分析事業を本格化した。加盟料は無料だが、分析費は実費。
 「ステビア農産物流通推進機構」(東京都中央区日本橋茅場町2−14−1。電話03−5847−1180)。
(2005.5.11)


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