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パンジーの父は庭師だった 今後は形態的にも変化が
《サカタのタネ》

(C)サカタのタネ パンジーLRアリルイエロー
©サカタのタネ パンジーLRアリルイエロー
 (株)サカタのタネ(高橋英夫社長、本社:横浜市都筑区)が、友の会会員向けに発行している『園芸通信』7月号では、『誕生から次世代へ―パンジー物語』を特集した。自生種のヴィオラトリコロルは、「心の癒し」、「三位一体草」と呼ばれている。
 巻頭を飾っているのは、冨山稔さん。スイス(アルプス、グリンデルワルド)、カザフスタン、東トルコ、スペイン(ピレネー)、フランス(オーベルニュ)と、パンジーの原生地を歩いたもので、迫真に迫っている。
 パンジーが現在のように育てやすく長く楽しめる花になるまでには、壮大な品種改良の歴史とドラマがあった。「ガーデンパンジーの誕生」(19世紀)、「一代交配の時代」(20世紀)、「生理生態的育種の時代」(21世紀)と世紀ごとにパンジーの変遷を追い、そして、まとめの「これからのパンジー」では、限りなく進化するパンジーの世界に夢を膨らませている。
 小杉さんによると、1813年ころ、パンジーを最初に創生したのはイギリスバッキンガム州の貴族、ガンビアー卿の庭師トムソン氏だという。彼は野生種ヴィオラ ルテア、ヴィオラ アルタイカなどを収集混植し、自然交雑個体を得る方法で雑種を得ていたようだ。
(C)サカタのタネ 虹色すみれ5色ミックス
©サカタのタネ 虹色すみれ5色ミックス
 1830年、放ったらかしにしていた荒地で自然に芽をふいた株から、中心部にブロッチ(目)のある個体を見つけ、それを「マドラ」と名前を付け増殖した。それまでは、パンジーにブロッチのある品種はなく、大切な一歩を踏んだトムソン氏は、パンジーの父と呼ばれている。
 現在、国内外で個人や種苗会社がこぞってパンジーの品種改良を行っているが、今後は「花色ばかりでなく形態的にも変わっていくかも知れません」と小杉さん。原種を使った交配など、楽しみがまだまだ拡がる。
 『園芸通信』への問い合わせは、サカタのタネ 通信販売部 電話(045)945−8824まで。
(2005.7.5)


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