農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

多様化する顧客ニーズに対応 日本農業にフィットした直販
《シンジェンタ ジャパン》

 3社の統合のもとに、ビジネスモデルとして直販を選択したシンジェンタ。事業の安定化およびその成功を目指した戦略の第1段階を終了し、現在は「我々はさらに成長を遂げていく」という戦略の第2段階を推進するマイケル・ケスター社長。5月から導入されるポジティブリスト制は、ポートフォリオ(製品群)の多くが追い風になると言う。


マイケル・ケスター社長
マイケル・ケスター社長
 農薬市場がやや減少傾向にあった2005年、シンジェンタは7%(283億円)の成長を果たした。ポートフォリオの再構築を終了したことから、今後は真の成長路線に入っていくことになると思える。
 成長を分野別に見ると、水稲の伸長が著しく野菜、果樹、お茶も安定した動きを示した。主力製品の動向を見ると、アファーム、プリグロックス、アミスターで10%の成長を遂げている。有効成分としてのプレチラクロール(単剤製品にはソルネット、エリジャンがある)の人気は高い。DCA(デジタルコラトップアクタラ)、アピロ製品群も急伸した。
 2005年に市場投入された新製品は4つ。中軸となったのが非選択性茎葉処理除草剤のタッチダウンiQ。日本で初めて、水溶解性に優れたカリウム塩を採用した。種子処理用殺虫剤のクルーザー、芝用殺菌剤のダイブ、シバンバも顕著な動きを示した。
 2001年の3社のマージャー(統合)は成功し、かつ盤石な体制を構築できたのか。「ゼネカとノバルティスの統合がなければ今日の成功はなかった」(マイケル・ケスター社長)、と回顧する。直後にトモノアグリカを引き寄せ、シンジェンタという強固な基盤を構築したと業界では見ている向きもあるが、「異なったカルチャーに整合性を持たせることに苦慮した」(同)ことも事実だった。
 この背景のもと、シンジェンタは決して現状に満足しているのではない。常に上昇志向にあり、3社の専門知識などを生かしながら「多様化する顧客ニーズに対応するため、製品開発およびポートフォリオの改善を推進」(同)している。将来的には、15%のマーケットシェアを獲得したい考えだ。
 直販の現状はどうだろうか。直販は「日本の農業にフィット(適合)するための投資。ビジネスモデルの中でベストだ」(同)と言う。比率は系統40%、商系60%なっており、4年間で系統の売上が2倍となった。「JAグループの盤石な体制が反映された」(同)。今後は、農家に近いところでサービスを充実させる。
 当面の新規開発剤にはプロスルホカルブ(小麦用除草剤)、メソトリオン(とうもろこし用・水稲混合除草剤)、マンジプロパミド(野菜用殺菌剤)、アバメクチン(園芸用殺虫剤)があり、デュポンと提携した「E2Y45」は殺虫剤に厚みを加える。
 顧客重視を実践するシンジェンタ。戦術として「顧客ニーズのいっそうの細分化が必要」(同)と言う。R&D(研究開発)も重視しており、食の安全・安心に結び付ける。戦略の第3段階は、生産者と消費者の架け橋となることではないか。シンジェンタは、その能力を備えていると思う。

(2006.3.10)


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