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重点製品に焦点当てた戦略で 5年間で7つの新規成分出揃う
《バイエル》

ミヒャエル ポートフ バイエル社長(左)とジョン・グレイ バイエルクロップサイエンス社長(右)
ミヒャエル ポートフ バイエル社長(左)と
ジョン・グレイ バイエルクロップサイエンス社長(右)
 バイエル(株)(ミヒャエル ポートフ社長、本社:東京都千代田区)は4月11日、日本のバイエル2005年度業績を発表したが、農薬関連事業グループの売上高は380億円(対前年比90%)にとどまった。
 これは、畑作用除草剤の「トレファノサイド」(有効成分:トリフルラリン)の販売中止と「ウィン」(同:カルプロパミド)剤需要の大幅な減少、加えてバイエルのグローバル戦略の一環として2有効成分と関連製剤を売却したことが主な要因。
 この中で、製品別に見るとフェントラザミドを有効成分とした除草剤とイミダクロプリドを有効成分とする殺虫剤が顕著な動きを示した。また、除草剤「バスタ」(同:グルホシネート)は前年同様に高い販売実績を維持した。さらに、新規殺虫剤「キラップ」(同:エチプロール)の市場投入も特筆できる。
 一方、バイエルのエンバイロサイエンス事業では売上が微減となったものの、主要な事業分野で新製品を市場投入したことは好材料となっている。市場が縮小傾向にある中で芝専用殺菌剤、シロアリ防除剤、ゴキブリ駆除剤などの製品群を強化したことで、業界のリーダーとしての地位を堅持した。
 その他、防府工場における新液剤プラントの竣工、新規殺菌剤「BYF1047」における住友化学との共同開発などが2005年のトピックスとしてあげられる。
 農薬業界は厳しい事業環境が予想されているが、同社では主要市場と重点製品に焦点を当てた事業戦略を展開するなか、「積極的な新製品開発と登録拡大をおこなっていく」(ポートフ社長)という。この5年間に7つの新規有効成分(注)が出揃う見込み。
 なお、会見では5月29日から施行されるポジティブリスト制度に対する質問もでたが、「日本農業にプラスとなるものであり、消費者の信頼を得ていくものだ。輸出増加も期待できる」、とバイエル クロップサイエンスのジョン・グレイ社長は述べている。

(注)オキサジアルギル(除草成分)、スピロメシフェン(殺虫成分「ダニゲッター」)、フルオピコリド(殺菌成分)、その他1殺菌成分、3除草成分の7成分。スピロメシフェン、フルオピコリドが先行して登録となる模様。後者はプロパモカルブとの混合により、ばれいしょの疫病に対して高い活性を示す『リライアブルフロアブル』の製品名。

(2006.4.12)


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