農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

JA全農よりバイオエタノール製造設備を受注
《三井造船》

 三井造船株式会社(加藤泰彦社長)は、JA全農から、多収穫稲(※)を原料として年産1000KLのバイオエタノールを製造する設備を、このほど受注した。
 この度同社が受注した設備は、農林水産省管掌の国家プロジェクト「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」の対象事業であり、JA全農が農林水産省より施設建設整備費の半額の補助を受け、平成19年度より5年間にわたって多収穫イネによるバイオエタノールの実証事業を行うもの。
 JA全農は、新潟県内でJAグループの一貫体制によるバイオエタノール実証計画を進めており、新潟市内に同製造設備を建設し、県下JAで生産する多収穫イネからエタノールを製造する。また、ガソリンとエタノールを混合する設備は、JA全農が新潟に所有する油槽所に増設し、新潟県内のJA系列のガソリンスタンドに、エタノールを3%混合したガソリン「E3」燃料を供給する。
 イネを原料としたバイオエタノールの製造と利用の実証事業により、地域の水田農業の振興や、畑作への転換が困難な地域の水田の有効利用を図り、地域の農地・水・環境を将来にわたり良好な状態で保全し、水田稲作農業が抱える根本的な課題に対し、積極的に取り組んでいこうとするものだ。
 三井造船は、平成16年からNEDOと共同で、岡山県真庭市に実証設備を建設し、セルロース系原料を用いたバイオエタノール製造実証事業を、継続して実施している。
 このたび同社は、穀物・澱粉系での高効率なエタノール生産に取り組み、同社が持つハイレベルな技術を、温室効果ガス排出規制や資源循環型社会形成に役立て、緊急の課題である地球温暖化対策にも貢献していこうとするものだ。
 ※北陸193号=コシヒカリに比べて作期が遅く、農業機械の使用時期が重複しない。イネはジャポニカ米とインディカ米の交配種で交雑の心配がなく、面積あたりの収穫量はコシヒカリの1.7倍。水田直播品種も開発中

(2007.8.22)



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