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微生物農薬の『ボトピカ水和剤』 流通および価格設定に注目
《出光興産》

汚れをなくした期待の『ボトピカ水和剤』
汚れをなくした期待の『ボトピカ水和剤』

 出光興産(株)(天坊昭彦社長、本社:東京都千代田区)は9月16日、トマト・なすの灰色かび病を予防する微生物農薬『ボトピカ水和剤』を9月20日から市場投入すると発表した。先行剤との棲み分けや、取扱会社の起用が注目される。
 本剤は、トマトやなすの果実に被害をおよぼす灰色かび病を予防するもので、自然界に生息する微生物バチルス ズブチリス菌(MBI600株)を有効成分としており、安全性や環境性に極めて優れ、使用回数は特に定めていない。
 また、水に溶けやすく、2000〜4000倍に希釈できる製剤であることから、果実への汚れも目立たないなど、食の安全・安心に取り組む生産者に最適な薬剤として仕上げられている。
 同社では、『ボトピカ水和剤』を全国のJAおよび農薬販売店を通じ積極的に販売展開し、初年度の売上目標を5000万円としているが、今後は適用作物を野菜類全般に拡大するとともに、いちご・ピーマンのうどんこ病への適用拡大などをはかり、2008年度には2億円の売上を目指している。
 この分野に強みを持つ出光興産(株)。1999年3月に『ボトキラー水和剤』、2001年8月に『バイオトラスト水和剤』の市場投入をそれぞれ果たし、豊富な経験を蓄積してきた。今後も商品構成のグレードを一層高め、現在(2004年)の微生物農薬の売上高3億円から、2008年には3倍の10億円を目指している。

 【解説】
 『ボトピカ水和剤』では、先行剤との棲み分けと取扱会社の起用が注目される。
 本剤は、先行している『ボトキラー水和剤』と同じバチルス ズブチリス菌(MBI600株)を有効成分とし、この成分コンテンツを高め増量剤をすくなくしたことで、汚れをなくしたところに最大の魅力があるが、重要なダクト散布への適用はない。
 一方、『ボトキラー水和剤』の取扱会社はアリスタライフサイエンス、日本農薬、出光興産だが、『ボトピカ水和剤』は出光興産、他1社となる可能性が高い。
 この分野は「ボトキラー」、「インプレッション」、「バイオワーク」、「エコショット」が市場または開発段階にあり激戦区となる。系統、商系の流通チャネルに違いはあるが、『ボトピカ水和剤』の差別化は価格設定にあると思える。

(2005.9.20)


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