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大型育苗箱剤を市場投入 3成分を合理的に配合し
《バイエル》

期待の『ブイゲットアドマイヤースピノ箱粒剤』
期待の『ブイゲットアドマイヤースピノ箱粒剤』

 バイエル クロップサイエンス(社)(ジョン グレイ社長、本社:東京都千代田区)はこのほど、育苗箱専用殺虫殺菌剤『ブイゲットアドマイヤースピノ箱粒剤』を市場投入した。配合されている有効成分からみても、この分野で成長する可能性はきわめて高い。
 本剤は、同社が開発したイミダクロプリド(製品名:アドマイヤー)、ダウ・アグロサイエンス社開発によるスピノサド(同:スピノエース)および日本農薬(株)が開発したチアジニル(同:ブイゲット)を合理的に配合している(注)
 『ブイゲットアドマイヤースピノ箱粒剤』の特長は、いもち病や水稲害虫に対して3有効成分を配合したことから、田植えの後から長期にわたって稲の生育を守ってくれるところに最大の魅力がある。
 また、箱処理には、「作業の省力化」という大きなメリットがあり、労働を大幅に軽減できることから、高齢化の進むこれからの農業に貢献するものとして期待される。
 一方で、本製品ほど各社の戦略が明らかになったものはなかろう。
 「育苗箱専用殺虫殺菌剤の分野で巻き返しをはかりたいバイエル社およびスピノサドのさらなる拡販を狙うダウ・アグロサイエンス社。自社既存製品との整合性の中で強みをもつ育苗箱専用殺虫殺菌剤分野において飛躍をはかりたいクミアイ化学、自社開発殺虫剤の海外展開を協力に推進したい日本農薬だろう」(業界通)の構図と見られる。
 規格は、1kg×12袋。販売はバイエル クロップサイエンス(株)、クミアイ化学工業(株)の2社。

(注)【3有効成分の特徴】
 チアジニル:チアジアゾールカルボキサミド系の浸透移行型いもち防除剤で、葉いもちに対して高い予防効果と優れた効果持続性を示す。
 イミダクロプリド:ネオニコチノイド系の殺虫剤で、育苗箱施用において水稲初期害虫のイネミズゾウムシやイネドロオイムシをはじめ、後期のツマグロヨコバイ・ウンカ類まで、幅広い害虫に高い殺虫効果を示す。
 スピノサド:土壌放線菌が産出する天然の殺虫活性物質。コブノメイガなどの鱗翅目害虫に高い効果を示す一方で、環境への安全性にも優れている。成分は、土壌や水の中で太陽光や微生物によって速やかに分解される。

(2005.12.19)


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