農業協同組合新聞 JACOM
   
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環境対応の超省エネ住宅を開発
《シェルター》

「KES ZERO」外観
「KES ZERO」外観

挨拶する木村社長
挨拶する木村社長
 雪国山形の(株)シェルター(山形市松栄1−5−13、木村一義社長)というユニークな住宅メーカーが、2月9日、東京・港区の「南青山サロン」で『マイナス光熱費住宅への挑戦』と題する記者発表会を開催した。
 木村社長は、記者発表の冒頭「地球温暖化というが、温暖という言葉には良いイメージがある。地球高熱化と言い換えるべきだ」と語り、国産カラマツ・スギの集成材を使用したエネルギー自給型超省エネ住宅「KES ZERO」開発の経緯、その特長などを説明した。
 同社は接合金物構法(特許KES構法)のパイオニアであり、これを同社は「KESシステム」と命名した。
 このシステムは、日本古来の工法に、米国の伝統工法である2×4工法と鉄骨造りの長所を取り込み、日本人の住まいに合うように改良された独自の木構法だ。「KESシステム」による住宅は耐震性に優れており、阪神淡路大震災でも被災地区に建設されていた73棟は、ほぼ無傷で残ったという。
 「KESシステム」をベースに、「KES ZERO」では更なるグレードアップを図り、210ミリ角の国産材の柱梁などを使用する木骨ラーメン構法「KES1(one)」を採用、南面全開口により太陽光を取り込み、高気密、高断熱を実現するため、世界最高レベルの断熱性能を有するスイス、ヘリング社のウッドサッシを設置した。
 「KES ZERO」は構造的にも優れている。大断面の柱と梁を、独自開発のスチールコネクターで接合し、大きなグリッドの組み合わせで建物全体を構成するシステムにより、構造強度は木構造ながら、従来工法とは比較にならない耐久性を示す。半永久的構造建築と同社は誇りを持って説明する。
 高気密、高断熱仕様と、大量の蓄熱体を壁や床の中に使用することにより、冬は太陽熱による蓄熱、夏は通風による蓄冷を可能とした。さらに季節の太陽高度に合わせた庇(ひさし)により、日射の取り込み・遮蔽などの優れたパッシブソーラー機能を発揮する。加えて太陽光発電とソーラー給湯器によるアクティブソーラーとの組み合わせにより、驚異的な省エネルギー住宅を実現した。
 同社は、この自然エネルギーを最大限活用した、オール電化住宅「KES ZERO」を山形市の丘陵地帯に建築し、1年間1組(2人)の夫婦に住んでもらい、東北大学の吉野博教授が、実際の居住環境をモニタリングした。
 その結果、電灯、電気機器、給湯、冷房、暖房、床暖房、クッキングヒーターなど、全ての光熱費・電気使用料金が、月平均2,277円と極めて低い支出となった。山形の日照時間は、全国45位と短く、日照時間が長い山形以南では、光熱費ゼロはもとより、マイナス光熱費住宅になるものと、同社では考えている。
 ◎「KES ZERO」の価格は、坪80万円程度になる予定だ。この件に関する詳細、問い合わせは、(株)シェルター建築事業部、広報担当武田敏雄TEL023−647−5100まで。
(2006.2.21)


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