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コラム


総選挙にひとこと

景気回復は100兆円のアグリビジネスから

 いよいよ6月25日は衆議院議員の選挙である。小選挙区比例代表並立制では2度目の選挙。比例代表というのがなかなか理解しにくかった。長老議員を党の比例名簿に祭り上げるのは分かるが、小選挙区で落選したのに、比例で帰り咲いた議員もいて選挙とは何だったのかと思ったのは前回である。

 今回はその点が是正され、例え比例名簿上位でも有効投票の10分の1の票を獲得していないと並立立候補の人は議員になれないことになった。小選挙区300人、比例代表180人、合計480人を選ぶ選挙である。
 中選挙区の時代には少数意見を代表する良心的な人の選ばれる可能性もあったが、小選挙区では当選者が一人であり、選挙民にすればイチカバチカである。有効票をねらえばどうしても当選可能な大政党や知名人に入れたくなる。政策や実行が伴なっていればよいが、必ずしもそうでない。そこに国民のしらけたムードがあるような気がする。

 それでも、この国を支えるのも、変えるのも、そして行く末を考えるのも国会議員が中心になるのは確かである。21世紀にむけての重要な選挙である。
 今回の選挙では「農業」は、どの新聞をみても政党間の争点になっていない。長年の間、農協・農村は自民党を支えてきたといわれ、関係者はそのように自負していても今の政策に満足する人は少ないはず。入札の度に米の値段は値下がりし、減反と輸入米とは関連なしと国会決議したにもかかわらず、輸入農産物の減る見通しはない。農家の後継者不足は深刻だし、耕作放棄地もあり日本の田圃まさに荒れなんとしている。

 一方、不況にあえぐ都市に住む中高年の農村回帰の願望は根強いが、農業就業したら生活できない現実がある。都会の若い主婦層にはガーデニングを趣味にし、食の安全性を追求する過程で、また環境重視で都会の中の生産緑地を横目で見るにつけ農業に興味を覚える人が多い。

 都市に残された農地の税金問題等未解決の農業の課題は都市、農村問わず山積している。国民の「農」への期待と国の農業政策にミスマッチがあるからだろう。景気回復をどの党も政策目標に掲げている。ならば、アグリビジネスにも関心を寄せてもらいたい。中心となる国内農業生産額が13兆円、農業資材などの川上産業で6兆円、食品工業・飲食業など川下産業で80兆円、合計100兆円以上のビジネス・チャンスがあるという試算もある。

 まず、アグリビジネスの活性化で景気回復をはかってもらいたい。   (金右衛門)



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