農業協同組合新聞 JACOM
   

コラム
反射鏡

農協共済に思うこと(その3)
−新潟県中越地震に関連して−


◆損害・事故発生で認識される共済・保健

新潟県の中越地震の被害は予想以上に甚大のようである。被害者の方々に心からお見舞いを申し上げたい。新潟県によると11月10日現在の中間値で、農地やカントリーエレベータなどの農業用の施設農業被害を中心に、農業関係の被害額は1500億円に上るとのことである。牛やニシキゴイなどは含まれていないので、実質の被害額は膨大のものと予想されている。ちなみに阪神・淡路大震災の被害額は912億円だったというから、農業災害としては過去最悪と言えよう。
 一方家屋を中心とする一般損害額(当然生命も含む)も大変な高額に達するものと見込まれる。農協共済・損害保険などの民間の共済・損保等は、この分野を保障活動の対象としていることはご存知のとおりである。
 災害・事故発生となると、当事者としては甚だ複雑な気持ちではあるが、共済・保険がクローアップされる。損害カバーにどの程度寄与しているか、迅速な事故(査定と支払い)対応がなされているかで、事業体の存在価値と活動の水準が問われるのである。

◆損保に先んずる農協共済の対応

 
 情報化の時代である。緊急活動の実態は広報に反映する。そこで早速、関係する事業体のホームページを開いてみることにする(11月10日)。先ずは農協共済、10月29日現在で被害把握状況と損害査定の実施への対応状況が的確に報告されている。一方、損保の主力2社についてみると、何れも10月24日付けで契約者へのお知らせと連絡先等を示しているに過ぎない。災害発生が農村地域であるにせよ、この場合は農協共済の活動に軍配をあげてよかろう。
 今年は自然災害が連続発生である。JA共済連速報の想定では、台風18号などによる建更共済の共済金支払総額は1000億円を越えるとされていた。加えての今回の新潟中越地震であるが、責任をもって対応し、農協共済の真価が発揮されることであろう。
 それにしても農協共済の保障能力は高い水準に達したものと、感嘆せずにはおれない。戦後、各地で呱々の声をあげてから半世紀余。この間、各地の農協役職員の絶え間ない普及活動の集積が、日の目を見つつあると言えよう。されど、発生した損害に対し、農協共済による保障はどの程度になるのであろうか。民間経済組織としての限界があるとしても期待される農村地域での充実した保障体制の確立には、まだまだ程遠い水準と言わざるを得まい。
 
◆今こそ第二の草創期、旧来の概念を打破し創造的発展を

 事業の開始と基盤造成期の昭和20年代後半から30年代前半、まさに素人集団によって事業は牽引され展開した。連合会段階を見ても、保険事業の経験者は皆無に近かったのではなかろうか。保険知識と経験なき、草莽の士の集りとか野武士集団と称された人びとが、新たな創造を求め、従来の概念に挑戦したのである。そして熱とエネルギーで強固な基礎を創りあげたと言える。戦後と言う時代の激変を象徴した下克上的な展開でもあったであろう。
 時あたかも戦後にも匹敵する大転換期、農協共済第二の草創期でもある。概成の概念を打破した先覚者を越える発想が求められているのではなかろうか。また地方を主体とする新たな息吹も期待されていると言えよう。例えば、統合連合会執行部(理事会)構成は県本部関係者に比重を移すなど。ともあれ次なる飛躍を望んで止まない。

(2004.11.18)

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