農業協同組合新聞 JACOM
   

コラム
JA共済 あれこれ

共済金が支払われない場合(2)
――生命総合共済

 前回、共済約款の中で、ぜひ知っておいて頂きたいことを建物更生共済について説明しましたが、今回は生命総合共済の場合についてです。
 まず共済金が支払われない場合ですが、契約後2年以内の自殺の場合、死亡共済金は支払われません。災害給付特約や全入院特約などでは、故意または重大な過失、無免許運転、酒気帯び運転などの場合共済金は支払われません。これ以外にもいくつか共済金が支払われない規定がありますので、「ご契約のしおり・約款」により確認してください。
 つぎに「告知義務」があります。共済は一人ではとても背負いきれない損害を大勢の加入者が出し合ったお金で補償し合い、大きな危険を小さな負担で乗り越えるための「相互扶助の精神」を基盤とした共同の経済制度です。しかし、加入しようとされる方には、若い人もお年寄りもいますし、健康な人も病気の人もいます。これをすべて同じ掛金で引き受けると不公平が生じます。また、癌の宣告を受けた人や、老衰で明日をも知れない人がみんな加入してしまうことにもなりかねず、いくら掛金を集めても、それ以上に共済金を支払わなければならなくなり、制度が維持できなくなってしまいます。
 そこで、生命共済においては、年齢、性別、健康状態等によって危険(将来共済事故が発生する可能性)を分類し、危険に応じた掛金を負担していただくこととしています。
 健康状態等は契約者や被共済者のプライベートな情報ですから、加入の際に、契約者や被共済者自身に知っている事実をありのまま告知をしていただく方法によります。この告知してもらうことを「告知義務」といい、具体的には契約申込書裏面の告知書に最近の健康状態、職業、過去の病歴等についての質問事項があり、これにご自身で記入していただくこととなります。この告知書への告知の外、JA指定の医師または面接士が口頭でお聞きする事項についても、お答えいただく必要があります。
 もし、告知内容が事実と違ったり、事実が告知されていなかった場合(これを「告知義務違反」といいます)、JAでは契約を解除し、共済金を支払わないことがあります。
 例えば、「契約してから1年後に脳出血のために入院し入院共済金の請求をしたが、契約前に高血圧症のため月に1回通院治療を受け、降圧剤を服用していたのに、これが告知されておらず解除となってしまったケース」などです。降圧剤により血圧値は正常範囲であり、まったく健康で会社を休んだこともなかったとのことですが、このような場合でも告知書に事実をありのままを告知しないと告知義務違反による解除という不利益をこうむります。これではせっかくの保障の目的が達成されません。
 ずいぶん厳しい規定と思われるかもしれませんが、本来の正しい告知をいただいていたら、JAではご契約を引き受けなかったか、割増掛金をいただくなど条件をつけて引き受けることになったものです。告知をいただいた方との公平性を維持し、加入者全体の共同財産を守るためにはどうしても必要なものなのです。 (2003.11.11)

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