INDEXにもどる トップページにもどる 農業協同組合新聞 社団法人農協協会 農協・関連企業名鑑

コラム


IT革命

 「寝ていた」人が多かったせいか、今回の衆院選挙はなんの感動も覚えない結果に終わった。それでも、これからの時代の方向を示唆する幾つかの特徴が出ている。都市での現職閣僚やベテラン議員の落選。地方での自民党の圧倒的な強さ。公共事業削減を唱えた鳩山民主党党首の苦戦。

 今、世の中は二つの構図に分かれている。公共事業(税金の使い方)をめぐる地方と都市住民。税金の納め方についてのサラリーマンと自営業者。年金の負担と受給についての若者と高齢者。情報技術(IT)革命で職を失った中高年とネット長者。こうした都市と地方、負担する側と受益する側、それぞれの声が選挙結果に反映しているように思える。

 今度の選挙、与党は相変わらず公共投資一本槍、野党にも目新しいものが何もない。とくに、印刷術発明以来の大革命といわれているIT政策については、選挙戦終盤で森首相がそれに少し目覚めた?発言をしただけ。今度の組閣でIT担当相を設けるという。
 今の時代、人間の1/7と寿命の短い犬が感じるスピードで時間が進む「ドッグイヤー」、「野口悠起雄氏が言う「とんでもない時代」がやって来たというのに、政治家もわれわれ有権者もITへの舵がまだ切れていない。

 とは言え、IT革命の後にバラ色の未来が広がっているわけではない。現実にオンライン書店の急成長で、200年以上の歴史を持つブリタニカ百科事典が行き詰まったとか。インターネットでの株取引で伝統的な証券会社の経営基盤も脅かされているとか。IT化が進めば、流通業の一部は壊滅し、中高年のホワイトカラーも失職する事態もでてくるとか。
 しかし、21世紀は間違いなくIT(インフォメーションテクノロジー)の時代、早急に対応しなければ、新しい雇用の創出も、経済構造の改革は一向に進まない。

 90年代の日本は「失われた10年」といわれる。農業も然り。でも、これからはITを駆使して「豊かな10年」としよう。 (だだっ児)



農協・関連企業名鑑 社団法人農協協会 農業協同組合新聞 トップページにもどる INDEXにもどる


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp