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コラム


東京水没

 20世紀最後のオリンピックの舞台・シドニーは連日晴れマーク。それもそのはず、オーストラリアは”乾燥大陸”といわれ、年間降雨量はたったの450ミリ。日本はその4倍の1800ミリ。オーストラリアの人々は川沿いに住むのが夢。例えば、西オーストラリア州のパースには豊かな水量をたたえるスワン川が流れる。人々はその川沿いに住み、家に船を繋ぐ光景があちこちに見られる。
 この国は台風や洪水には無縁と思いきや、今年2月東部で1週間豪雨が続き大洪水になったというから、どうやら異常気象は世界的傾向。

 日本は近年自然災害がめじろおし。今年になっても有珠山噴火、伊豆諸島の地震・三宅島の噴火、そして今度は東海地方の集中豪雨ときた。卑近な例で恐縮だが、我が家も5月にひょうの被害にあった。留守番の話によると、天からゴルフボールが落下、この世も終わりの凄まじさだったそうだ。おかげで雨樋が全壊、車のボンネットは凸凹。

 恐ろしいのは、東海地方の集中豪雨はまったくの偶然で、いつ同じようなことが東京で起きないとも限らないという話。事実、建設省には荒川が北千住駅近くの堤防が決壊した場合のシュミレーションがあるそうだ。荒川から流れ出た水は、地上、地下鉄網を伝って都心を襲う。下町は4メートルの水の底、車がプカプカ流れ、凹地は車の墓場、濁流は銀座・大手町まで達し、地下街も水びたし。「東京水没」と描く。

 おまけに、日本の豪雨は激しさを増しているという。気象庁の「雨の強さと降り方」によると、1時間の雨量が30ミリ〜50ミリで「バケツをひっくり返したように降る」激しい雨、80ミリ〜が「恐怖を感じる」猛烈な雨と表現している。昨年100ミリ以上の雨が10回もあったらしいが、今年はまだ3回とか。

 昔から「備えあれば、憂いなし」といわれるが、100年か200年に1度の災害には備えようがない。でも、精々「地震・雷・火事・親父(?)」を、常日頃肝に銘じて暮らそう。  (だだっ児)



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