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コラム


食卓への架け橋

 先日、岩手県で二つの施設を見る機会を得た。一つは「いわて純情米センター」。もう一つは「元氣館」。ネーミングが二つとも実にいい。

 いわて純情米センターは平成5年産米の大不作の落とし子。この年の大不作で翌年用の種子もみが不足。このため、この施設の機能としては、種子備蓄のほかに、生産技術指導(土壌・食味・残留農薬等の分析)と精米工場を付加。土づくりから精米まで、安全・安心・安定にこだわった米づくりが売り物。
 圧巻は、精米工場でつくられた「純情倶楽部」「いつつ星」「純情家族」「んめ!」「お母さんにぎりま専科」など、消費者ニーズに合わせたブレンド米シリーズ。製品は30銘柄、100アイテムにも及ぶという。消費者にアピールするには、ネーミング、中身の吟味、時代にあったものが大事というが、ピッタリ。

 元氣館はJAきたかみの米を保管する倉庫。元気ではなく元氣と書くところがいい。4800トンを収容でき、全自動ラック式のフレコン保管倉庫。日本では数えるほどしかない近代的な農業倉庫である。
 ふつうの倉庫では先に入れたものは、奥になるため出庫は後になるが、ここの場合は、ボタン一つで先入れ先出しが可能。おまけに、倉庫の床、壁、天井などに活性化エネルギーを発散するという特殊セラミックスを使用して、米に適した保管環境をつくりだしている。
 この元氣館のねらいも、消費者に安全・安心でおいしい米を届けること。そのため、この施設で農家毎に米の食味値や成分を測り、データを農家に示す。農家はそれをもとに良い米をつくる。その良い米を元氣館で保管し、品質を維持管理するのがJAの役割と明快。

 まさに、この二つの施設は産地と食卓をつなぐ架け橋。「でも、今の米の値段では・・・」と、担当課長の嘆く声が耳朶に残る。(だだっ児)   



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