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コラム


iモード

 「iモード ニューファッションかと オヤジ聞き」。日本貿易振興会(ジェトロ)が発表した新春恒例川柳大会の入選作の一つ。最近大学では、授業中の私語が携帯電話のiモード機能を使ったメール交換で減ったという。また、昨年の流行語大賞とやらに〃慎吾ママ〃の「おっはー」とこの「iモード」が選ばれたくらいiモードは大人気。
 iモードの生みの親は、松永真理さん。その開発経過は彼女が著した「iモード事件」で識ることができる。それによると正しくは彼女は開発者の一人で、名付け親。前身はリクルートの転職情報誌の編集長。42歳でドコモにそれこそ「とらばーゆ」。
 彼女はこのiモードの開発で「日経ウーマン」のウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞。かたわら、政府税制調査会委員も務める正真正銘の才媛。
 面白いのは「全身がアナログでできている」と自身が言うほどのIT音痴なところ。それが「携帯電話の液晶画面に載せるコンテンツ(情報の中味)を考えてくれ」と言われて、デジタルの世界に急転回。そのときの彼女は携帯電話をまだ持っていなかったそうだ。
 本来、デジタルとアナログの世界は対立する構図ではなく、それぞれの進歩がお互いの成長につながるとか。そうであればこそ、彼女の超アナログ思考がiモードの誕生に大きく寄与したにちがいない。著書の帯にあるソニー出井伸之会長の「デジタルな世界を切り開くのは、まさに〈人間の思い描く力〉である」がうなづける。
 携帯電話は今や、日本人の2人に1人が使う。iモードの利用者も2700万人にものぼる。でも、人差し指族の中高年には、小さなボタンに難儀する。それに「電子の鎖」じゃないが、1日中監視されているような気がして好きになれない。
 でも、これからは確実に「情報技術に長けた人とそうでない人の間に格差が生じる」デジタルデバイドの社会になるそうだ。20世紀のおじさん族も、親指ピッピッでなければ生き残れない時代。
 少なくとも、あなたは企業のIT化の足を引っ張る「デジタル窓際族」になってはいけませんぞ!自戒。
      (だだっ児)



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