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コラム


『時代おくれ』

 「目立たぬように はしゃがぬように……人の心を見つめつづける 時代おくれの男になりたい」先月、シンガー・ソングライターの河島英伍さんが逝った。カラオケは大の苦手だが、彼の歌はふしぎに2、3曲歌える。“男は大きな夢をもて……”ダメ息子の成長とダブらせて、「野風増」は何度も何度もがなりたてた。
 “一日二杯の酒を飲み、さかなはとくにこだわらず……”仕事のストレスの癒しに、それこそ酒場の隅で「時代おくれ」を歌わしてもらった。“忘れてしまいたいことや〜飲んで〜飲んで〜”「酒と泪と男と女」は、ふだんなにげなく口ずさむ。
 彼はネオフォークシンガーといわれる。フォークソング。広辞苑に「アメリカ起源の民謡調歌曲。ギターの弾き語りなどにより素朴な旋律で民衆の感情、社会批判などを唄うものが多い」とある。フォークソングは、一時、市民権運動や反戦ソング、あるいは今はやりのニューミュージックとして歌い継がれてきたらしい。
 フォーク・ソングの本来の姿は、日本の演歌と同じで、人間の心の表現だと思う。だから、日本歌謡界一級の作詞家、阿久悠が「時代おくれ」のような詞がかけるのだろう。河島英伍は、「この男は、ぼくにはカッコ良過ぎますよ」と、阿久悠に嘆いたことがあったらしいが、この歌はバブルの時代にまみれた男の心に響いた。
 一方、演歌は「冬の時代」と言われる。しかし、昨年、57才の新人歌手・大泉逸郎の「孫」が、演歌として16年ぶりにミリオンセラーになった。孫に対する自らの心情をせつせつと歌った歌詞が同世代の共感を得たのがヒットの要因とか。
 ドッグイヤーといわれるスピード時代の昨今。もたもたしていたら、それこそ「時代おくれ」の男になってしまう。いや、だからこそ、時代と人の心をしっかり見つめて生きなければ…。
 でも、やっぱり“飲んで〜飲んで〜飲まれて飲んで〜”が人生一番!河島英伍さん、ありがとう。(だだっ児)



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