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コラム


野球&サッカー

 球春到来。大方の日本人は、球春といえば野球に決まっているが、今年は違う。蹴球、いや、サッカーのワールドカップ(W杯)がアジアの地で日本と韓国の共催で行なわれるからだ。W杯はオリンピックの中間年に4年に1度開かれる国際的な大イベント。次に日本で開かれるとすれば、半世紀も待たなければならないというから見逃せない。
 W杯は、“64年の東京オリンピック、70年の大阪万博”に匹敵する日本の第3の歴史的イベントと著名人がいう位凄い大会。サッカーは攻守をめまぐるしく変わる「動」のスポーツ。「子供を大人にし、大人を紳士にする」知的なゲームともいわれる。
 球春の本家、プロ野球が日米ではじまった。国内では、星野監督ひきいる阪神タイガースが開幕2連戦で巨人を撃破、開幕7連勝の離れ業。W杯を意識してか、今年は開幕試合のやり方を変えた。セリーグ優勝チーム、ヤクルトが名古屋ドームで、西部ライオンズが札幌ドームで開催。札幌から福岡までの6都市で一斉にスタートし、野球気分を日本中に盛り上げようという演出。
 海の向こうの大リーグ。開幕前の親善試合に映画『フィールド・オブ・ドリームズ』のケビン・コスナーが遊撃手で登場、イチローと競演の演出。そのイチロー、開幕戦で3安打。早々と今年の活躍を予測させる。野茂、新庄、長谷川、石井等の活躍はいかん。田口のメジャー昇格は、と目が離せない。
 サッカーは動のスポーツなら、野球は静(応援はうるさいが)。その違いのせいか、サッカーは選手の引抜きも案外自由、監督も外人が多く、茶髪や坊主頭の選手など開放的。野球はセパ交流試合もままならない閉鎖的な世界。監督も往年の名選手ばかり。だから、子供たちは野球を離れ、ファンは古い日本人ばかりになるのだろう。
 たった一球団のオーナー、「裸の王様」に日本のプロ野球界が振り回されては、そのうち「スタジアムに誰もいなくなった」になってしまう。「松井選手は三冠王をとって、メジャーに行ってもらいたい」と、なぜ、言えないのだろう。なぜ、セパ交流試合が実現しないのだろう。もう、プロ野球はやめた。6月1日からサッカーにしよう。 (だだっ児)


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