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コラム
 

不良債権問題

 「『FA宣言』僕もアメリカに行きたくなったよ」竹中大臣(11月4日、朝日、かたえくぼ)
 10月末、日本列島に“松”“竹”の激震が走った。松は巨人、否、日本プロ野球界の至宝、松井秀喜選手。竹は、いま、ときめく経済財政・金融担当相の竹中平蔵大臣。
 プロ野球日本シリーズは、あっさり巨人の4連勝。巨人の強さばかり目立ち最近のプロ野球はちっとも面白くない。精々、松井選手の3冠王への挑戦くらいが興味のまと。その松井選手がメジャー挑戦ときた。個人的には拍手喝采だが、日本のプロ野球は、真剣になって構造改革をすすめないと、メジャーリーグの2軍になりかねない。
 次に、日本経済の行く末。不況、デフレが加速しているのに景気対策を打たない小泉内閣。10月30日、政府は総合デフレ対策を決定したが、中身は、不良債権処理の加速策。そもそも、不良債権なるものは、バブル期に金融機関が不動産に融資した大量の資金が、バブルの崩壊で地価が下落し、貸出し先の不動産業などが倒産、または経営不振で回収できず、生じたもの。
 たしかに、不良債権処理は日本経済にとってさけて通れない問題。しかし、地価が下げとまらないなかでは、雪かきをいくらしても、新雪がどんどん降り積もるように、新たな不良債権が発生するだけ、という。
 また、これを強引に実行に移せば、自己資本不足に陥る銀行は、貸し渋り、貸しはがしを行い、企業倒産や失業者が続出。日本総合研究所によれば、「大手銀行で93.2兆円の『貸しはがし』」「332万人の新たな失業者」「国内総生産(GDP)は6.4%の押し下げ」というから、なんとも恐ろしい。
 それなのに、なぜ、この不況のなか、不良債権処理をすすめるのだろう?なんでも、アメリカのハゲタカ・ファンドが不良債権化した企業を買いたたこうと虎視眈々とか。何しろあの長銀、今の新生銀行がたったの10億円で外資系金融機関に買い取られたというから、この話は眉唾ではないかもしれない。
 ぼやぼやしていると、日本中が焼け野原。亀井静香(衆議院議員)にいわせれば、戦後に続く、アメリカの第2の占領政策が今、行われている、という。慧眼かな・・・・。 (だだっ児)


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