農業協同組合新聞 JACOM
   

コラム

「くたばれ??タイガース」

 97敗はプロ野球初陣の楽天。80敗は球界の盟主?巨人。巨人は球団史上最悪の成績とかでテレビ視聴率も過去最低の年間10.2%という。何しろ7時にテレビを捻ると、もう二桁得点を入れられているテイタラク。憎らしいほど強い球団「くたばれ巨人」はもう死語…。
 野球のメッカ、大リーグにもかって「くたばれヤンキース」という言葉があった。そのヤンキース、今シーズンは大苦戦、昨年のワールドチャンピオン・レッドソックスとの最終3連戦でやっと地区優勝を決めたが、地区シリーズで敗退。世界一奪回ならずだが、「くたばれヤンキース」はまだまだ健在のようだ。
 このヤンキースは「悪の帝国」といわれるほどの金満球団。独裁オーナーといわれるスタインブレナーは金に任せて有名選手をかき集める。だが、大リーグには年俸を払い過ぎると、球団に課徴金を課すなど、ヤンキースだけを強くするような動きや制度を黙認するようなことはない。これが「巨人におんぶに抱っこ」、企業の広告塔として育った日本プロ野球との大きな違い。
 そのヤンキースの一員、松井選手の活躍は凄い。彼の活躍はヤンキースを率いるトーリ監督によるところが大きい。何しろ、就任10年で地区優勝9度、世界一4度という“名将”。選手をみる眼が違う。「監督というのは、数字ではなく、選手がその時々の状況をどうさばいたかを覚えているもの。その意味で松井は特別な存在だよ」と絶大の信頼を寄せる。たしかに松井選手は、A・ロドリゲスやジーターのような派手さはないが、日本人(?)のもつ賢さ、真面目さは秀逸。この監督の慧眼が松井選手の日本からつづく連続試合出場を支えているように思う。
 そんな中、日本プロ野球界は村上ファンドなるものが、阪神電鉄株を買占め、2年ぶりに優勝を決めた阪神タイガースを上場だの、「村上タイガース」だのと騒いでいる。そして、今度は楽天がTBS株の筆頭株主になり、三木谷社長は経営統合を提案。このTBSは横浜ベイスターズの親会社というから、話はややこしい。こうした動きは日本のプロスポーツの花形プロ野球が文化的公共財として育ててこなかったツケなのだろう。それにしても、あのホリエモンといい、村上、三木谷という御仁には、農耕民族のDNAは流れていないようだ。農耕民族ならマネーゲームはやめて汗して稼げ。(だだっ児)

(2005.10.25)

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