農業協同組合新聞 JACOM
 
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コラム
  「北軽井沢」発

 1年に2回ほど山登りを兼ねて、絵を描きに行く仲間がいる。グループは男女3人づつ、平均年齢60歳?男性は皆所帯持ち、女性はなぜか、皆独身。その女性仲間のうちの二人が共同で、「北軽井沢」にログハウス、別荘なるものを建て、先月、お披露目に招かれた。
 新幹線ではじめてJR「軽井沢」に降りる。ここは、長野県北佐久郡。北軽井沢までは、国道146号線をバスで、北へ40分程。途中、車窓から、森の木陰に別荘らしき建物が点々。さすが、金持ちの避暑地、昔は日本人は豊かだった。否、もっと正確には、別荘をもてる金持ちがいたというべきか。
 「北軽井沢」の所在地は、群馬県吾妻郡。同じ“軽井沢”という名がついていても、県が違うのはこれ如何に? お二人の別荘は、敷地250坪、丸太組みのログハウス建坪約40坪、総経費ウン千万がデンと座っている。お一人には、94歳になるご母堂がいて、出迎えてくれる。何でも、いつもは病気勝ちだが、ここに来ると元気になるそうだ。ご同慶の至り。
 少し前、森永卓郎の「年収300万円時代を生き抜く経済学」が馬鹿売れしていた。どうして、そんなに売れるの? 釣られて読んでみると、これからの日本は、富はわずか1%のエリート中のエリートに集中、残りは300万円クラスが大半で、最下層は100万円クラスに階層分化。かつて、1億の日本人「総中流」といわれたが、近い将来、新たな階級社会、すなわちアメリカ型社会になると分析する。
 確かに、今度の総選挙で自民党が勝ち、小泉政権がつづけば、世界に冠たる平等社会は、森永氏のいうように音もなく崩れることだろう(もう崩れている?)。先の仲間のもう一人のご婦人は、彼がR銀行勤務。ボーナスゼロ、給与大幅カットで、車も手放したとか。もっと、悲惨なのは住宅ローンを抱えている40代、ローンを支払うのに、また、借金という。せめて、老後は軽井沢でログハウスの別荘とは言わないまでも、空気の良いところで、畑と庭づくりで、心豊かに過ごしたいものだ。
 閉塞感の満ちる世の中ですが、来る11月17日から21日まで、JAビル9階で、恒例の「全農美術展」が開かれます。「ホット」一息。精々、癒しの世界にお浸りください。 (だだっ児)

(2003.11.10)

 

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