農業協同組合新聞 JACOM
   

コラム

夢の球団

 プロ野球、大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブが今季終了後に合併をめざす。このため、来季はパが5球団で試合を行うか、近鉄・オリックス以外にもう1組の合併を実現し、10チームによる1リーグ制を志向するのか、ともかく6球団2リーグ制はなくなる。
 漫画「ドカベン」の著者・水島新司さんが「近鉄を野球好きで祭り好きの四国に移転しては」と言えば、ちまたの野球雀も「巨人を東京と大阪に分け、大阪巨人をパリーグに入れたら」、「1兆円も利益を出しているトヨタが近鉄を買収したら」、「サッカーJリーグのように、1部、2部に分けて、入れ替え戦をやったら」など、さすが野球大好き日本人、議論百出。
 日本のプロ野球は、「企業の広告塔」。とりわけ、近鉄をはじめとする鉄道事業者は、かつてはプロ野球のオーナー企業の代表格。そう言えば、子どもの頃、西鉄、南海、阪急、そして国鉄スワローズというのもあった。これらの企業はプロ野球人気により、鉄道事業だけでなく沿線開発にも大きな力を発揮してきたが、近鉄が消えると、私鉄が単独で球団を保有するのは阪神と西武グループの2つだけになる。
 まさにプロ野球も世に連れの思いをするが、企業の球団経営は未だに旧来のまま。たしかに、阪神ファンは甲子園に行くために阪神電鉄に乗り、優勝でもすればデパートの売上げが伸び、「タイガースはグループの至宝」とまでいうが、ファンはただ野球が好き、タイガースが好きなだけ。巨人ファンも応援するのは、「読売巨人」ではなく「東京巨人」なのだ。
 こうしたファンを無視したプロ野球運営が、今回の2リーグ制の危機につながった大きな要因。その元凶は、巨人の渡辺オーナー。金力にものを言わせて、他チームの4番バッターをかき集めて、ベンチに座らせる。選手は試合に出てなんぼ。江藤は広島に、ペタジーニはヤクルトに無償で返してやろう。まして、1リーグにする前に、セパの交流試合、ドラフトのウェーバー制などやることがいっぱいある。その上で、リーグ加盟料の30億円をなくせば、サントリーや松下も買収に動くだろう。
 いや、なんなら、JAグループがプロ野球球団をもとう。手っ取り早く、近鉄を買収したらどうだろう。チーム名はコメの銘柄ではないが、全国から募集しよう!?(だだっ児)

(2004.7.2)

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