農業協同組合新聞 JACOM
   

コラム 落ち穂

「親父の背中」

 ●救済策に感謝の校長へ。これまで作成した調査書は虚偽文書。「文書偽造の罪」はどうされる?●非核三原則堅持の首相へ。やたら政府与党内で収まらぬ核保有論議。まさか言わせてるんじゃ? これは11月4日付朝日新聞夕刊「素粒子」から拾ったもの。最初のは、高校の必修科目の履修漏れ問題。たしかに世界史は範囲が広くて難儀。でも、国際化の時代、受験科目になくても必修科目とするのは当り前だろうに。二つ目は安倍首相じゃないが、個人的見解なら何言ってもいいのと、言いたくなるね。
 自己流で二つ追加。●いじめ自殺でおおわらわの学校長・先生と親たちへ。いじめを見抜けない先生も悪いが、親の躾はどうなってるの?しかし、「出荷できないイチゴ」とは、かって聖職と言われた先生のいうこと?●「攻めの農政」をぶつ松岡農水大臣へ。全国の米の作況「96」、地元九州は4年連続不作の「78」。それでも攻めの農政ですか?足もと(自給率向上)を固めないと、いまに米も食べられなくなるのでは?
 「お父さんお母さん こんなだめな息子でごめん」「これで、お荷物が減るからね」。いじめで自殺した子の悲痛な叫び。いじめ問題は専ら学校側の監督責任が問われるが親側の責任はどうなんだろう。昔から「子は親の背中を見て育つ」と言われてきたが、今は親、とくに「親父の背中」が見えなくなっているせいではないだろうか。老親を田舎に置きっぱなし、子育ては女房に任せっぱなしで、子供に「親父の背中」が見えるはずがない。ましてや子供がいじめられているのか、いじめているのか、今の親に分かるわけがない。
 さて、農業の問題。今年もまた「九州の不作」「北海道の豊作」と南北で明暗を分けた。過日の新聞で松岡農相は「何か温暖化なり、気象の変化が構造的なものかどうなのか」と、首をひねる、とあった。一方で、「攻めの農政」とかで、「日本の農産物は、車でいえばキャデラックかロールスロイス」と強気の姿勢を崩さない。どちらの発言も今さら何をか言わん、という気がする。ぼやぼやしていると、そのうち米も、アメリカからトウモロコシが来なくなれば、キャデラック級の国産牛も食べられなくなるよ。
 安倍首相のいう「美しい国」の基盤は「教育と農業の再生」のはず。その教育と農業現場がこんなに荒れて、21世紀の日本はもつのだろうか…肩身の狭い親父がつぶやくのでした。(だだっ児)

(2006.11.10)

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