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コラム 農民は考える
直接支払制度(1)

 中山間地域等直接支払制度が12年度からスタートした。
 東和町は、例の如く派手好みなので、テレビや新聞で東和町の認証式や現地レポートが報道された。
 直接支払制度は会計検査院の検査があり、デタラメなカネの使い方をしていると全額返還になる仕組みである。
 マスコミでも報道されたし、県内でもこの制度の対象面積が多い方である、とすると会計検査院が岩手県に来た時は必ず東和町に来るナ、と話題になっている。この「会計検査院が来るヨ」のひと言が、それなりに効いているようで、検査院大歓迎である。
 来町のついでに、不透明そのものである「とも補償」や転作助成金も検査してもらいたいと思っている。定款違反や、「買い取り品」から手数料をとる等のことを認める(黙認する)中央会の監査はない方がよいのであって、会計検査院または外部監査にすべきである、と考える。
 さて、直接支払制度は急傾斜地に10アール当り2万1000円支払うから、この制度の目的達成に向け努力してください、というもの。
 まず、この制度の目的とはなにか、どうやって達成するのか、の問いから議論がはじまると思っていたら、なんと、カネ勘定だけの議論で12年度は終わってしまった。
 1部の人だけがカネをもらうのは不公平だと言い、減反に協力しない人にカネは払わない、だから集落として100%減反を達成しなければ直接支払制度のカネは払わない、という原案が役場から出て来た。
 12年9月に原案修正、13年1月に再度修正し、13年2月末まで減反政策との整合性をどうするか、についてもつれ込んだ。13年度の緊急拡大分がなければ、ここまで混乱することはなかったかも、である。
 緊急拡大分を達成すると、東和町で48ヘクタール、10アール当り1万円なので、480万円の転作助成金が増える。一方、直接支払制度のカネはわが集落だけで、約1000万円の5年間だから約5000万円になる。
 普通の役場は、町民所得を少しでも多くしようと考えているので、どちらを取るかと言われたら、5000万円の方をとる。だが、東和町役場は480万円の方が重要だという。 どうもカネ勘定だけではないようだ。官僚は百姓の支配者であることを示したい幼稚な支配欲だけのようだ。
 大潟村で、減反配分面積にわずかに未達であった2人の農家から、国は農地を取り上げた。機密費だ、組織ぐるみの選挙違反だ、談合だといって、年中不正行為をくり返している、官僚がである。このような公僕とはなんたるかを知らない官僚に支配されていたのでは、民主主義もないし、協同組合もない、江戸時代の百姓に戻ってしまう。(岩手県東和町・渡辺矩夫)



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