農業協同組合新聞 JACOM
   

検証・時の話題

 
本紙調査 米の作況は全国「101」と推計(2)
主要米産地、全国202JA 現場の声
−主要産地202JAの米担当者がみる今年の米の「量」と「質」−

北海道

▽今年はとても良い品質の米がとれた。刈り取りは10月中旬まで。▽刈り取りは終盤。作況は良すぎると思う。▽刈り取りは6割済んでいる。特に病害虫の被害はない。▽刈り取りは80%ぐらい終了。ただ検査はまだ40〜50%の進捗で、若干遅れ気味。

東 北

《青森》▽カメムシの被害があるが品種により格差がある。▽「ゆめあかり」の作付は50%強だが、穂イモチが出た。作況102だと4400俵が過剰米。▽作況102計算で2703俵過剰米が出る。カメムシ被害が見られる。
《岩手》▽カメムシ被害、穂イモチ被害が地域的にあった。▽カメムシの被害がかなり多い。▽籾割れもあった。
《秋田》▽イモチはほぼ無し。カメムシ被害若干。▽若干のカメムシ被害があった。
《宮城》▽くされ米(生理障害)が出た。
《山形》▽カメムシ被害で2等、3等米が出ている。ウンカ被害もある。
《福島》▽乳白、腹白がひとめぼれで若干出た。カメムシ被害、イモチが一部であった。▽穂イモチが発生、カメムシは少ない。

関東・東山

《茨城》▽1週間程度刈り取りが遅れている。集荷は4〜5割が終わった程度▽あきたこまちの一部でカメムシ被害が発生。
《栃木》▽登熟期夜温も低く米粒も大きく、非常に良い▽作況は昨年の109にくらべて低い。5月の低温が影響▽刈り取りはほぼ終了。思っていたより作況は良くない。
《群馬》▽品種により乳白が多いものもある。ゴロピカリの品質は良さそう。
《埼玉》▽乳白米が多く、日照の影響で米が茶色になった。青未熟もある。河川近くではカメムシの被害もあった▽昨年より品質が落ちている。6月以降フタオビコヤガ(イネアオムシ)が発生▽販売価格の低迷が問題▽長雨の影響により品質低下が見込まれる。今年はイネアオムシも。今(9/28)の刈り取り分は大丈夫だが、これからの地域に影響か▽品質は例年通り。
《千葉》▽品質は例年より少し悪い▽価格の低迷が一番心配。JAS法と農産物検査法の違いで困っている。米の買い入れは農検法だが、その先はJAS法でしばられる▽品質は例年並み。1等米比率は少し下がるかも。昨年よりカメムシの被害が多い。台風で倒伏も▽品質は例年より悪い。1等米はあきたこまち69.3%、コシヒカリ90%。カメムシの被害があった▽量販店の価格形成が強すぎる。作況に関係なく価格をバイヤーが決め、生産者価格が低すぎ収益が少ない。JAは少しでもメリットを出して、生産者に追加払いをしたい▽品質は例年並み。カメムシの被害と乳白が少し出た。早生で未熟米があった。
《長野》▽気温が高かったので少し品質が心配。▽おおむね良好だが刈り取り後半のものは穂発芽、胴割米が目立つ▽粒が小さめ。カメムシが例年より多く被害。

北 陸

《新潟》▽早生品種の1等比率の低下が顕著▽1等比率は平年より悪い。全体的に青末熟粒、心白粒の混入が多い▽水害が若干あった。Bクラス米60〜70%▽長雨で倒伏し等級比率は悪い▽青未熟、乳白が台風の影響であった。フェーン現象による雨風が原因。
《富山》▽乳白が多い。
《石川》▽カメムシが多く、乳白も多かった。3等米を区分出荷▽カメムシが出た。乳白も少し。過剰米対策発動の準備はしている▽沿岸部では台風被害。
《福井》▽台風で倒伏があった▽大きな被害はなかったが、斑点米や胴割れが少し発生。

東 海

《岐阜》▽実が少し細いか。台風14号で倒伏被害があった▽春先の低温などが重なり収量が少ない。カメムシの被害もあった。
《静岡》▽台風14号で穂ずれが発生、収量が少し低下。▽地域的に収量にばらつきがある。高温(胴割れ)、台風の被害があった。カメムシの被害(斑点米)も。
《愛知》▽晴天が続いて胴割れ、発芽があった。JA米制度の機能がなかなか発揮できていない。売れる米づくりをどうするか、マーケティングをどうするかが課題▽現在刈り取っているコシヒカリは2等米がほとんど。今年は未熟米が多い。管内では転作が増えている。減農薬(成分7回以下)などに取り組み生協に対して安全・安心な米を作る▽天気が良く気温も高かったが、品質は大丈夫そう。カメムシ被害は多めだが、機械で除去して品質を維持。
《三重》▽品質は昨年より悪い(昨年72〜73%)。お盆過ぎから毎日夕立で倒伏。温度が高く白未熟粒も。JAの独自販売もあるが、価格が厳しい(上限10kgで4000円)。消費者は新米に飛びつかなくなった▽品質は8割が昨年並み。一部開花時に台風被害があり、その後の高温乾燥で白穂になり地域によっては4〜7割の被害も。販売は売れ残りがないようにしたい。
《滋賀》▽台風14号による倒伏があった。斑点米カメムシ被害が増幅。紋枯病も発生し品質にバラツキ▽降雹で5000万円の被害。天候に左右されない米づくりを目指す。

近 畿

《京都》▽カメムシ被害が例年より少し多い。
《兵庫》▽カメムシ被害が見られた。販売力、競争力強化のため、新品種を導入▽極早生で、斑点米カメムシ被害▽全体的に品質良くない。等級も悪い。カメムシ被害、紋枯病、ウンカの影響▽量は平年並みだが、品質は良くない。
《奈良》▽中山間地はカメムシ被害などの影響であまり品質が良くないが、平場は平年並み。

中 国

《鳥取》▽降雨、台風等により倒伏があった。登熟不良。山間部で斑点米カメムシ被害発生。
《島根》▽前年に比べ、品質がよい▽台風14号で刈り取りに遅れがあり、後の品質への影響が心配▽カメムシ被害、前年の約2倍に。
《岡山》▽いわゆる脱水症状が出ている。▽低温が影響し早生は品質が悪い▽北部は収量減が著しい。降雨が少なく晴天が続き籾の皮が厚くなったため。
《広島》▽紋枯病が少し発生した程度。販売対策は大規模農家・生産法人への対応強化。保有・縁故米の見直し。JAが販売ルートを見つけていくこと。
《山口》▽トビイロウンカ、カメムシの発生が著しい。販売は「JAこだわり米」の実践でブランド化し、域内に卸すこと▽粒張りが悪く、形質で格付けが下がっている。カメムシの被害が大きい。収穫してみると予想に反して量が少ない。

四 国

《徳島》▽カメムシの発生は今年多め。早期米では未熟米もあった(日照不足)。これから過剰米対策を契約農家に説明する。
《愛媛》▽気温が高く水不足。乳白、腹白が見られる▽乳白、高温障害、干ばつ被害があった。過剰米対策が課題▽今年はいいと思っていたがくず米が多い。過剰米対策発動となったとき品種をどれにするか。
《高知》▽カメムシ被害、充実不足、腹白があった。

九 州

《福岡》▽102はとんでもない数字。反収450kgぐらいで少ない。ウンカの発生、台風の影響で品質もよくない▽今のところ1等米がない。台風の被害で収量も8%程度低い。現場と統計センターの104という数字はかけ離れすぎている。
《佐賀》▽ウンカが大発生しひどい被害▽紋枯れ、カメムシが出ている。
《長崎》▽昨年より収量はいい。品質も悪くない。台風の被害はたいしたことはない。
《熊本》▽品質は平年並みか?稲の株が張っていない。今はまだ稲刈りをはじめたばかりだが厳しい▽台風で倒伏、発芽が。直売も進めていかないと収益が上がらない。
《大分》▽台風被害は遅植え分のみ。ただ渇水で田植えができない地域があった。出穂期に高温があり、未熟に近い米も。原油高で乾燥調製に痛手。
《宮崎》▽台風14号で1000haが冠水。収穫できない水田が40〜50haあるかも。1等米比率は高温や冠水などで下がった(例年60%)。台風被害がひどい地域では飯米もとれない▽昨年よりも価格が下がると思う。仮渡金はこれから▽これから特栽米など18年以降の販売対策を考えなくてはいけない。

全国202JA 17年産米の作柄予想 本紙JA調査(.xls)

(2005.10.7)

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