農業協同組合新聞 JACOM
   
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日本畜産学会で牛乳由来スフィンゴミエリンの効果を発表
《雪印乳業》 (9/26〜)

  雪印乳業(株)(本社:東京・新宿、高野瀬忠明社長)は、このたび同社が新たに開発した、牛乳由来スフィンゴミエリン高含有素材(商品名:ミルクセラミド(MC-5))の皮膚保水効果について、その有効摂取量やヒトへの効果について検証を行った。またモンゴル国の馬乳酒から、特徴的な特性を有する乳酸菌を分離した。
 この研究成果について、9月26日より岡山大学津島キャンパスにおいて開催される、「日本畜産学会第108回大会」において、MC-5に関しては同社技術研究所の研究員(春田裕子、加藤健、吉岡俊満、上田典子の各氏)が、馬乳酒から分離した特徴的な乳酸菌については、宮本麻里氏(同社技術研究所)ら3名がそれぞれ発表する。
 スフィンゴミエリンは、他の食品に比べ、牛乳に多く含まれるリン脂質だ。生体内のスフィンゴミエリンは、酵素により加水分解されて、皮膚の角質層に、セラミドとして供給されることが知られている。
 一方、同社が新たに開発した、牛乳由来スフィンゴミエリン高含有素材(商品名:ミルクセラミド(MC-5))は、ヘアレスマウスの皮膚の保水性を高める効果があることを、本年5月に京都で開催された第61回日本栄養・食糧学会大会において報告されている。 そこでミルクセラミドが皮膚保水効果を発現させるために必要な摂取量について、ヘアレスマウスを用いて検討した結果、ミルクセラミドの皮膚保水効果には用量依存性がなく、17mg/日(スフィンゴミエリンとして1.2mg/日)の摂取で皮膚保水効果を発現することが明らかとなった。
 また、乾燥肌傾向にある20〜40歳の男女に、ミルクセラミドを110mg/個(スフィンゴミエリンとして7.3mg/個)含有するソフトカプセルを毎日3個摂取してもらった。その結果、左眼下部の皮膚水分量が有意に増加することが明らかとなった。また、アンケート調査においても、肌の色つや、はりを改善することが分かった。
 これらの結果により、肌の健康を維持するためには、ミルクセラミド(MC-5)を毎日の食生活に取り入れると有用であることが示唆された。
 世界には馬乳酒が、高血圧、心臓病、結核病などの治療に用いられている地域がある。この効果は馬乳酒中の乳酸菌や酵母によるものと考えられており、保険効果を持つ有用菌の存在が期待されていた。そこで今回は、モンゴル国の馬乳酒から乳酸菌を分離・同定し、その乳酸菌フローラを調査した。その結果、まだ報告されていない主要菌株を検出するなど、大きな成果があった。

(2007.9.26)


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