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マイナー作物等の農薬登録促進は
関係者の積極的なデータ作成から −日植防


新局面を迎えたマイナー対策(9月8日)
新局面を迎えたマイナー対策(9月8日)
(上)岩本毅 日植防理事長・(下)親富祖 明氏(沖縄県)
(上)岩本毅 日植防理事長・(下)親富祖 明氏(沖縄県)

 (社)日本植物防疫協会は9月8日、東京都千代田区の日本教育会館でシンポジウム『マイナー対策を考える』を開催した。マイナー作物などの農薬登録促進は、関係者の積極的なデータ作成推進の大切さが改めて浮き彫りとなった。約400名が参加。
 地域農業の振興や食の多様化のもと、マイナー作物などの病害虫防除対策が重要となっている。7月末には、経過措置期間が終了しマイナー作物などの防除対策は新しい局面を迎えたとも思える。本シンポでは、これまでの成果を総括し今後の展開方向を探った。
 マイナー作物とは、全国の生産量が3万トン以下の農作物のこと。別名「地域特産農産物」といわれている。農薬取締法の改正により、農薬の使用者は登録のある農薬を使用することはもちろん、農薬使用基準の遵守についても義務化された。
 しかし、地域特産的に少ない面積で栽培されているマイナー作物や、主要な作物でも少ない規模で発生する病害虫については、適用登録のある農薬が少なく、これらの病害虫防除に農薬を使用すると登録にない使用方法となり、取締法違反として罰則の対象となる。
 このままでは生産振興に著しく支障を来すことが考えられ、対策として取られたのが「登録適用作物のグループ化」と「経過措置」だった。
 グループ化は、作物の形状、利用部位で類似性の高い作物をグループ化し、農薬の登録拡大をはかっていこうとしたもの。11のグループが設定されており、現在「シソ科農作物」、「セリ科農作物」、「ウリ科農作物」、「イネ科農作物」のグループ化が検討されている。
 経過措置はグループ化に該当せず、なおかつ生産に著しく支障を来す作物について、特例措置として農薬の適用拡大が行われるまでの一定期間(おおむね2カ年間)を対象に、県が安全な使用方法を設定し指導することを前提に当該農薬の使用を認めたもの。
 2005年3月段階での組合わせは、「これまでに登録されたもの」292件、「経過措置を延長するもの」2963件、「(2006年)3月末で経過措置を取り消すもの」5564件だった。本年3月の経過措置延長終了時に、全国の経過措置農薬のうち承認2963件については7月末までの再度経過措置延長となっていた。
 結果は、2963件のうち9割以上について使用することができる見込みとなった。残りの1割については他の防除方法などにより対応が可能となっている。マイナー作物には、地域特産品のブランド化推進という面もあり、栽培面積が小さくてもその地域にとっては重要な作物だといえる。農水省では、マイナー作物への農薬登録をいっそう推進していく。

(2006.9.11)



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