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組合員の加入促進も目標 −全国大会議案 (3/23)


 第24回JA全国大会の大会議案を検討している議案審議専門委員会(委員長:山田俊男JA全中専務)は3月23日の委員会で大会議案の方向性を検討した。
 議案には、まず「JAグループの使命」として(1)地域の農業を振興し安心、安全な農産物を供給するとともに緑と水を守る、(2)地域への貢献を通じて安心して暮らせる豊かな社会を築く、の2点を掲げる。このうち2点めは、40万農業経営体に支援を集中する農政の方向に対し、JAグループは担い手以外も含めて地域全体への貢献を重視する姿勢を改めて打ち出すもの。
 この「使命」に基づきJAグループの「ビジョン」を示している。ビジョンは3つで(1)JAが一層の自主性・自立性を発揮し、高度かつ効率的に機能を発揮する、(2)連合組織がJAの機能発揮状況をふまえJAを補完する、(3)(JAの機能発揮と連合組織の補完によって)組合員をはじめ地域住民・消費者の支持を得て信頼される協同組織となること、となっている。
 こうした使命とビジョンに基づき議案では今回の大会決議実践期間の「目標」として(1)担い手育成・支援を軸とした地域農業振興、(2)魅力ある事業を通じた食農教育、高齢者福祉などを通じた地域貢献、(3)新たな事業方式の確立など事業改革の断行、(4)組合員加入促進などを通じた活力ある協同組合づくり、の4つを掲げている。前回までの審議では4つめの項目は盛り込まれていなかったが、組織基盤の強化を重視して掲げた。
 具体的には、女性や青年部員の正組合員加入促進、JA理事、総代への選出枠の設定など、数値目標と目標達成のための具体策にすべてのJAで取り組むことを打ち出す。とくに組合員加入促進では、組合員に加入するメリットを明確にすることや、最低出資口数の引き下げを検討することを打ち出す。
 また、連合組織は加入メリットの明確化を可能とする商品・サービスの開発、提供などを行うことや、中央会は組合員資格の継承時の加入促進対策などを提示することを目標とする。
 そのほか組合員組織の再編、新たな目的別組織づくりの取り組みも掲げる。

◆担い手金融で具体策提示

 今回の専門委員会では、担い手支援のため金融ニーズへの具体的な対応方向も示された。
 方向としては、JAでは「担い手金融リーダー」が中心になって対応するが、その対応力向上のために信連・農林中金は研修会の実施、相談ツールの提供に取り組む。
 提供する金融商品では、担い手には運転資金ニーズも強いことから、スーパーS資金、アグロマイティー資金・短期運転資金などの活用も進める。また、JAの対応が困難な大規模担い手の資金需要については、農業法人向け資金の「アグリビジネスローン」などを信連・農林中金が直接融資することにも取り組む。
 そのほか、JAバンクとして無担保融資をセットし、代金決済を請け負うなど総合金融サービスの提供なども検討することが示された。
 このほか今回の大会議案ではそれぞれのJAで中期計画のなかでビジョン、戦略を策定するとともに、力を入れる事業・活動分野について関連して「No1宣言」を行うことにしている。
 大会議案は、4月13日の専門委員会で「素案」を提示。その後、専門委員会、議案審議会を経て6月1日に組織協議案が決定される予定になっている。

(2006.3.29)



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