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一般企業の農業参入法人を5年で500を目標
 −政府の21世紀新農政2006 (4/4)


 小泉首相を本部長とする政府の食料・農業・農村政策推進本部会議が4月4日に開かれ、中川農相が「21世紀新農政2006」を説明、政府として決定した。
 同推進本部は昨年3月の新基本計画決定時に開催されているが、基本計画を毎年検証し新たな施策を取り入れていくために今回開催されたもの。
 「新農政2006」は、WTO、FTA対応など国際戦略と担い手の確保育成策など国内農業の体質強化、さらにバイオマスの利活用などが柱となっている。
 WTO農業交渉では中川農相がこれまでに主張している「守るべきところは守り、譲るところは譲る、攻めるところは攻める」の姿勢で臨むと改めて強調し、EPAについては農業の構造改革を加速しつつ、スピード感を持って推進するとしている。また、農林水産物の輸出を5年で倍増させる目標に加え、今回は「東アジア食品産業共同体構想」を打ち出した。
 「東アジアは一つの市場」との発想で食品産業の海外進出を促進する。食品製造業だけでなく、外食、コールドチェーンの整備など食品関係企業の現地法人売り上げ高を5年で3割〜5割上昇させる目標を掲げた。
 また、植物新品種の出願件数の目標など知的財産権の保護・活用による競争力の強化も掲げた。

◆食料供給コストを2割減

 国内農業の体質強化で今回新たに目標数値を打ち出したのが、一般企業などの農業参入の促進だ。
 耕作放棄地や耕作放棄が懸念される農地を一般企業にリースすることを認める改正農業経営基盤強化促進法の施行で17年度は、156の企業が参入している。これを5年後の22年度には3倍の500法人とする目標を掲げた。また、39歳以下の新規就農者を毎年1万2000人程度確保する。
 国内農業の体質強化策では食料供給コスト削減を重視し、5年間でコストを2割削減することを目標とした。
 このなかで、とくに農協の経済事業改革の遅れを指摘、全農改革を進め、低廉な農業生産資材の供給と効率利用、物流コストの削減などの改革の徹底を図ることを強調している。また、改革を進めるため「聖域を設けず」、民間の経験、有識者の知見をいかした「コスト縮減委員会」(仮称)を農水省に設置し、検討することも明らかにした。
 そのほかバイオマス輸送用燃料を22年度に原油換算で50万キロリットルとする目標も掲げた。
 推進本部で小泉首相は「守りから攻めが大事。農業は衰退産業ではなく成長産業。ピンチをチャンスに切り替え明るい展望を開く必要がある」などと語った。

21世紀新農政2006のポイント

(2006.4.7)



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