農業協同組合新聞 JACOM
   
農政.農協ニュース

全国Aコープ協同機構(仮称)組成などを了承
−全農生活事業委員会 (6/15)


 JA全農は6月15日に生活事業委員会を開催し「全農新生プランにおける生活関連事業実行具体策について」審議し原案通り答申することが了承された。
 今回了承された実行具体策は、15年7月の同委員会で了承された各事業別「事業改革構想」をベースに、その後の環境変化を踏まえた見直し・具体化内容を反映させることで、燃料、生活事業の「新生プラン実行具体策」と位置づけ、19年度からの中期計画のなかで実践をはかっていくことになる。ここでは生活部の実行具体策について紹介する。
 そのなかで、最盛期の約6割に売上げが減少し、加盟店の約4割が赤字となっている全国Aコープチェーン店については、現在のボランタリーチェーン組織では厳しい環境下で競争力を強化し経営を改善することは限界があることから、経営一体化会社を中心とした新たな活動組織を立ち上げる必要があるとし、全国Aコープチェーンを19年3月末に解散し、全国Aコープ協同機構(仮称)を組成(18年10月予定)することを決めた。
 新たにつくられる協同機構は、全農・広域会社・県域会社・全農県本部(長野県)が、「それぞれAコープ会社経営に責任を持つ立場として参加し、共同仕入、ノウハウ共有、教育・人材育成などを行う」ことで経営力を強化していこうというもの。商品の共同仕入については、ここで決まったものについては、各会社などが責任をもって販売していくことになる。そういう意味では、従来のボランタリーからレギュラーチェーンに近い形になるといえる。
 生活関連事業は、15年の第23回JA大会の「経済事業改革」で、純損益段階での収支均衡が求められ、Aコープ店舗ではJA店舗の近隣一体化会社への移管やマスタープランに基づく業態転換や閉鎖を進めてきている。現在、29県で一体化を実施し、県域を超えた広域会社も関東・近畿・北部九州の3会社が組成されているが、今後、中国地区(19年4月予定)さらに北陸地区で検討を進め5社体制をめざしてしていく。さらに全農では、新生プランの子会社再編の一環として広域会社への統合・再編を進めていく。
 また、JA単独での店舗運営では、将来にわたって経営を維持し、健全化・サービス向上は難しいと想定されるので、一定条件を満たす店舗の近隣一体化会社への経営移管を促進していくことにしている。
 これらによってAコープ店舗の経営力強化をはかるとともに、Aコープ店舗を全農の経営理念である「生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋」機能の一翼を担う部署として、「国産農畜産物販売拠点」としての位置づけを明確化し、生鮮青果・精肉は国産100%調達(国産で調達できないものは除く)を目標とする(22年度)。国内農畜産物取扱高を20年度まで2500億円を目指すことにしている。さらに16年度の設置率が53%だった生産者直売コーナーをさらに高めることにしている。
 また、エコマーク商品については、国産原料使用商品を中心に開発を進め取扱拡大に努める。
 生活組織事業については、純損益段階での収支均衡をはかるために、「生活全対応型の生活事業を見直し」、JA段階での収支確立も見込める食材宅配、葬祭事業に選択と集中をはかり、これらを核として、その他の事業について、JAの特性や意向を踏まえて、健康・高齢者対応・環境・地産地消関連事業など、組合員の負託に応えられる事業に特化していくことにした。
 食材宅配における「ふれあいさん」や配置家庭薬の「配置員」は直接利用者に定期的な訪問(宅配)活動をしていることから、こうしたインフラを活用した新たな事業拡大をはかっていく。さらにITなどを活用した事業展開や新たな仕組みによる事業拡大も検討していく。

(2006.7.10)

 

 

社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。