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寒締めでホウレンソウの硝酸含量が低下 −東北農業研究センター


 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の東北農業研究センターは、ハウス内の温度を低く保つ「寒締め栽培」でホウレンソウの収穫前の気温・地温を低くすると、過剰摂取が問題とされる硝酸含量を低める効果があることを、このほど突き止めた。
 硝酸を成人が摂取しても、栄養とはならずにそのまま排出される。しかし、乳幼児が過剰に摂取した場合、窒息症状を引き起こすことがあるため、野菜に含まれる硝酸の量の低減が求められている。
 寒締めで冬作のホウレンソウ、コマツナなどの葉茎菜類の糖、ビタミン含量が増え、食味が増すことは既に知られており、青森、岩手、秋田など北東北で普及している。
 野菜は生長に必要な窒素の大部分を土壌から硝酸の形で吸収・蓄積するが、低温がこの吸収を抑えるうえ、取り込んだ硝酸が消費されて、含量が減るという。
 栽培試験に使用した品種は「まほろば」だが、コンバット、リード、朝霧などでも差はあるが、効果があるという。

(用語解説)
寒締め栽培=野菜を寒さで締める、という意味で名付けられた。はじめから寒さを充てるのではなく、最後に寒さを充てるのがポイント。収穫可能な大きさまで育った時点でハウスの裾を上げ、外気を入れて中の温度を下げる。

(2006.10.17)



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