農業協同組合新聞 JACOM
   
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食と農を近づける取組み事例を報告
−JA食農教育実践研究集会  (12/5)


  JA全中主催の「JA食農教育実践研究集会」が12月5日、家の光会館コンベンションホールで開催された。
 今年10月に開催された『第24回JA全国大会』で、すべてのJAで「JA食農教育プラン」を策定することが決議され、21年度までに食と農の体験・教育・交流、地場産学校給食や地産地消などに取組むことになっている。なぜ食農教育に取組むのか、地域・学校・家庭を対象にどのような農業体験・教育を行うかなどについて、食農教育に取組んでいるJAや、消費者の立場から総合教育の現場で食農教育を実践しているNPO法人の活動などの事例を聞き、プラン策定の参考とするためにこの研究集会は開かれた。

◆食べることは社会性を持った行為

活動事例を報告する今岡康弘氏
活動事例を報告する
今岡康弘氏

 近藤恵津子NPO法人コミュニティースクール・まちデザイン代表は、長年おこなってきた生協活動の中で、生産の現場を知り生産者に配慮できる消費者になることの必要性や、子どもたちに食農教育することが保護者を含め多くの大人にも食や農について考えるきっかけをつくることになることから、小学校高学年を対象に総合学習の時間を利用して食農教育を実施している。
 『私の食が世界・地球をつくる』をテーマに「自分たちが食べる食品はどの国から輸入しているか、輸入するためには沢山の人の手を経て多くの化石燃料を使うなど、食べることは社会性を持った行為だ」と、教えている。また、自給率アップのために、ダイコンの葉の部分は細かく切って炒めて食べるなど捨てる部分の出ない食べ方や、すぐ食べるものは賞味期限の短いものを買うなど環境に配慮した買い方を子どもと一緒に考え、食と農の距離を縮める取組みを行っており、子どもたちの反応に、手応えを感じているという。

◆地産地消で地域に貢献

 今岡靖弘JA福岡中央会食農生活部地産地消広報担当次長は、「顔の見える関係づくりなど食と農の結びつきを強めて豊かで元気な地域社会を築き、地域農業の振興、地域社会・経済の活性化、豊かな人間性の育成、をめざす『地産地消運動』にJAグループ福岡あげて取組み、地域に貢献したい」と、JAが地域社会の中で食と農を結びつける重要な役割を担っていると語った。
 17年度から市場でも地産地消の取組みができないかを探る市場連携プロジェクトや、生産者と消費者が互いに求め合うものを提案し地域の特徴ある農産物を育てようという生協プロジェクトなど、地産地消に向けた環境整備を進めている。
 しかし、経営が厳しく余裕のないJAや、担い手問題が最優先課題など他に大きな課題を抱えているJAなどは、地産地消の取組みにあまり熱心ではなく、かならずしも県下一丸となって取組んでいるわけではない。今後、足並みを揃えられるかを課題とした。

◆JA間連携で農業体験ツアーを実施

 JAみなみ信州(長野県)とJAめぐみの(岐阜県)は連携して食農教育を進めており、JAめぐみの管内の小学4〜6年生の「農業体験ツアー」をJAみなみ信州が受け入れている。受け入れ側のJAみなみ信州は、農業体験などの指導を行うと同時に『食育を行っているJA』などを消費者にアピールし販売活動に力を入れている。
 また、JAめぐみのはJA独自の活動として、新規顧客獲得のきっかけづくり、地域でのJAの存在感発揮、管内の農業資源の有効活用と地域間交流、などを目的に食農教育に取組んでいる。「農業体験ツアー」は、管内の都市部の子どもたちを対象に実施。募集から、実施後の写真展、広報誌への掲載まで子どもと保護者への接触があり、JAの存在を地域にアピールする良い機会となっている。

(2006.12.8)



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