農業協同組合新聞 JACOM
   
農政.農協ニュース

鳥インフルエンザに負けるなと地元スーパーが応援キャンペーン
−宮崎・マルイチ


がんばれ宮崎パネル

 清武町・日向市・新富町とわずか3週間のうちに3例の高病原性鳥インフルエンザが発生した宮崎県で、「がんばれ!宮崎」と銘打って、宮崎県産農畜産物のイメージアップキャンペーンを実施している食品スーパーがある。日向市と延岡市で6店の食品スーパーをチェーン展開する(株)マルイチ(高木亮輔社長)だ。
 マルイチでは、相次ぐ県内産地での鳥インフルエンザ発生で、消費者からの問い合わせが増え、売上げも2〜3割ダウンするなど、「あからさまではないにしろ、消費者の鶏肉に対する目も厳しくなっている」。そうしたなかで、小売業者としてなにかできることはないかと考えた結果、「生産者・処理工場で働く人たち、そして取引先に対して風評にめげずがんばって」もらいたいという思いから「がんばれ!宮崎」キャンペーンを行うことにしたという。
 同社では、「いままで鮮度・味などの面で、地元宮崎産に勝るものはない」と考えてきたので「その思いがお客様に伝われば、風評もなくなり」いままで以上に県産が支持されることになればと考えている。
 当初は、特売や試食などによるアピールも考えていたが、新富町で3例目が発生。移動制限区域内にある食鳥工場が操業停止となり、物量を確保することが困難になってきているために、全店舗で自社製作ポスターを売場に掲示、POPによる案内、県農水部配布のビラの掲示などを行っている。
 今年になって4例の強毒性鳥インフルエンザが発生しているが、早期に通報され迅速に防疫措置がとられていることや、風評被害への対策が徹底されていることなどから、3年前に比べれば混乱は少ないといえる。しかし、発生農場の飼養鶏を殺処分することは「人への感染を防ぐため」と誤解している人は多い。そのため鶏肉や鶏卵の消費が落ち込むことはありうることだといえる。
 そうしたなかでのこのキャンペーンは、消費者に安全・安心をアピールするだけではなく、厳しい状況にある生産者や関係者を勇気づけるものだといえる。

(2007.2.6)

 

 

社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。