農業協同組合新聞 JACOM
   
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事業連合による生協産直のベースに
「生協産直の青果物保証システム」07年改定版を提案
−日本生協連全国産直研究会 (2/2)


◆実証実験などでの意見・疑問を反映し改定

 日本生協連は2月2日に第23回全国産直研究会を開催し、「生協産直の青果物品質保証システム」の2007年改訂版を提案した。
 1960年ごろから始まったといわれる生協の産直はその後、安全で安心な食品を求める生協組合員のニーズに応えるかたちで広がり、「産直は生協の柱」でありスーパーなどとの差別化をはかる「強み」となった。しかし、スーパーなどが産直的な手法を取り込み「生協よりも生協らしい」といわれる店が出現。さらに無登録農薬や適用外農薬の使用や残留農薬の検出、BSEをはじめとする食品の安全性に関わる問題の発生、そして02年の全農チキンフーズをはじめとする表示偽装事件が生協産直で発生し、「販売者としての生協の責任が問われる事態」となる。
 「これらの事件の反省に立ち、産地と消費者がお互いに品質や仕様に責任をもち、確認・検証できる関係を構築することで“たしかな商品づくり”を実現していく」ために、この「生協産直の青果物品質保証システム」は05年に提案され、いくつかの生協と産地との間で実証実験が実施され、それにもとづいて06年に改訂版が提案され昨年1年間、モデル事業・実証実験を実施してきた。
 さらに06年には、このシステム普及のために東京・大阪で説明会を開催するとともに、産地点検を行う生協職員を育成するために全国5会場で「点検者養成講習会」を開催し約100名が受講した。
 これらの実証実験や講習会などで出された意見や疑問をもとに内容を改定したのが今回提案された「07年改訂版」だ。

◆改定されなかった流通・販売規範

 「青果物品質保証システム」は「適正農業規範1 生産者・農家編」「適正農業規範2 生産者団体・JA編」「適正流通規範」「適正販売規範」から成っているが、農業関係だけが改定され、流通、販売については「06年改訂版」のまま改定されなかった。
 このことについて矢野和博日本生協連専務は開会の挨拶で「作る側(生産者・生産者団体)にはあれやれこれやれといいながら、生協の側には甘い。なぜかというと、自分たちのことはよく分かっているので委員会でなかなかまとまらない。これが一番の問題だ。生協組合員に届ける最後の段階はわれわれなので、責任を持ってキチンとしたレベルをつくっていく必要がある」と語った。生産者が良いものをつくっても、流通・加工・販売段階で問題が起こるケースもあり、08年改訂版ではぜひ流通・販売規範の充実をはかることに期待したい。
 農業関係の「規範」については基本的な項目に変わりはないが、従来は各項目の設定理由と具体的内容が混在するなど分かりにくかったが、今回改訂では設定の理由だけを簡潔に表記し、内容については「解説」にまわすなどより分かりやすくなったといえる。
 改めて全体をみると、品目別の栽培方法など仕様は各生協と産地で取り決め、生産履歴の記帳は当然としたうえでどう管理するかという基準が明記されているといえる。全体を流れる基調は「食べ物を生産しているという当たり前のことを忘れないという基本的な姿勢」をもっているかどうか、ということだ。

◆より強固な産直関係を築くために

 日本生協連では「実証実験を重ね、07年度からいよいよ本格展開へ」と位置づけている。事業連帯による事業展開が進む中で、事業連帯に参加する各生協ごとに違いがある産直基準をこのシステムをベースに整理し統一していこうということだといえる。つまり、今後の生協産直のベースになっていくのがこの「青果物品質保証システム」といえる。日本生協連ではこのシステムを「取引条件にしてはいけない」。点検をすることで「何を改善すべきか課題を明らかにし、生産者と生協が考えることで、産直の関係をより強固にする」ことだと位置づけている。
 最終的には3月上旬に確定版が決まる予定になっているが、産地としてもこれについての学習が必要ではないだろうか。
 そのうえで、以前にも指摘したことだがJAグループには「全農安心システム」という先駆的で先進的な取り組みがあり、多くの生協がこれを活用しているのだから、産地が数多くある消費側や行政の要望を整理し、「全農安心システム」をベースに、どういう作物を、どれだけ、どのようにおいしく・健康によく・安全・安心に生産するかという量と質を明確にした「品質保証システム」を作成し、提案したらどうだろうか。その方が、生産者は煩雑な作業から解放され、より生産に集中できるのではないか。

(2007.2.14)

 

 

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