農業協同組合新聞 JACOM
   
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介護・医療保障をさらに充実し高まるニーズに応える
掛金率も変更し掛金引下げも―JA共済生命総合共済の仕組改訂


 JA共済連(上原寿宰理事長)は、ニーズが高まっている介護・医療保障の拡充、組合員・利用者の「分かりやすさ」を実現していくために特約を減らして基本保障に組み込むなど保障体系の見直しを行う仕組改訂を4月1日から実施する。あわせて、共済掛金の計算基礎となる予定死亡率などを最新の経験データなどに基づいて改訂し、共済掛金率を変更した。

介護保障・後遺障害保障などの拡充・見直し

◆介護保障が基本保障に

 常時寝たきり状態で、衣服の着脱・入浴などが自分ではできなくなり、他人の介護が必要な状態や、認知症となり常時接している家族を認識できず他人の介護を必要とする状態(いずれも6か月以上継続し将来回復の見込みがない)などの「重度要介護状態」については、これまで所定の特約で保障していたが、4月以降は、対象契約(主契約)・特約などの基本保障として、後遺障害共済金(支払割合100%)などの支払事由や共済掛金払込免除事由に追加し、包括的に介護保障に対応する。
 平成6年4月1日以降に締結された契約についても19年4月1日を効力発生日として同様に保障する。

◆共済掛金払込免除制度を臓器移植などにも拡充

 JA共済独自の保障として実施している疾病による「共済掛金払込免除制度」(疾病重度障害状態)の認定要件を最近の臓器移植の増加などを踏まえ、心臓・肺・すい臓・小腸の臓器移植を受けた場合にも拡充する。
 また、肺機能障害の場合の労務制限を撤廃し、認定要件を緩和する。
 平成6年4月1日以降に締結された契約については、19年4月1日を効力発生日として同様に保障する。

◆重度障害年金特約の保障も充実

 中度の要介護状態や生活習慣病による障害など重度障害状態になった場合に、終身または一定期間にわたって重度障害年金が支払われる「重度障害年金特約」の保障性や利便性の向上をはかるために、以下の改訂を行う。
 支払事由の重度障害状態に「重度要介護状態」を追加共済期間をこれまでの「主契約の共済掛金払込期間」から「一律80歳まで」に延長する医療共済へのこの特約の付加を可能にするこれまでは新契約時のみの申し込みだったが、19年4月1日以降に加入した契約については中途付加・中途増額を可能にする。
 支払事由の「重度要介護状態」が主契約などの保障範囲に組み込まれたことで、保障内容が一部重複するため、介護初期給付特約・介護年金特約・介護保障移行特約を廃止する。

◆日帰り入院から保障するなど入院特約の保障を拡充

 終身や養老生命共済などに付加して、ケガや病気などによる入院や手術などを保障する入院特約について、医療技術の進歩によって入院期間が短期化していること、また1日あたり医療費の自己負担が増加傾向にあることから、全入院特約などの入院共済金を従来の5日以上継続入院から保障する要件を「日帰り入院」から保障することにした。(19年4月以降の契約に付加した入院特約のみ)
 また、これまでは保障対象外とされていた手術のうち、入院中に受けた、公的医療保険制度の診療報酬点数表により手術料または放射線治療料が算定されるものに対して、入院日額の5倍の手術共済金を支払う。(19年4月以降の契約に付加した入院特約のみ)
 さらに、臓器移植術のうち、肝臓・すい臓・小腸の支払倍率を現行の20倍から40倍へ引き上げる。19年3月31日以前に締結された契約に付加した入院特約にも適用される(平成6年3月までの契約で、約款非更改としている契約を除く)。
 そして、4月以降は、従来6つあった入院特約を、全入院特約、がん入院全保障特則付全入院特約、災害入院特約の3つに整理する。

◆医療共済に「80歳払込終了」を新設

 医療共済の共済掛金の払込方法に、これまでの終身払いに加えて、「80歳払込終了」を新設する。これによって、高齢期における共済掛金の払込みに対する資金力不安を緩和することができる。
 また後遺障害共済金の支払事由などへの「重度要介護状態」の追加「疾病重度障害状態」の認定要件の拡充「重度障害年金特約」の保障拡充入院中手術保障の設定手術共済金の支払倍率の見直しは、医療共済にも適用される。

◆共済掛金率見直しで掛金が引き下げに

 最近は平均寿命が伸張して死亡率が改善しており、死亡保障性をもつ仕組みの共済掛金を引き下げる要素となっている。一方で、4月からの仕組改訂で介護保障の拡充にともなうリスクの増加もあることから、これらを加味した予定死亡利率を設定した。
 この結果、20歳男性の主契約のみの終身共済(60歳払込終了・年払)の場合は、共済掛金が従来よりも1.4%引下げとなる。40歳男性で主契約100万円・定期特約900万円の契約の場合は、下げ幅が5.3%となる。
 また、市中金利の上昇による運用環境の改善を反映して、予定利率(年)を終身共済1.40%(変更前1.25%)、積立型終身共済と養老生命共済は1.30%(同 1.00%)に引き上げる。予定利率が上がると共済掛金は引き下げとなる。

(2007.3.30)

 

 

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