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「信じられない思い…」 −小林農水事務次官 (5/28)


松岡利勝 農林水産大臣
 5月28日午後2時、松岡利勝農林水産大臣の死亡が入院先の都内の病院で確認された。同日昼ごろ、議員宿舎で意識不明の状態で発見された後、1時ごろに病院に搬送されたという。
 農水省の小林芳雄事務次官は午後4時から記者会見し午後2時に死亡が確認されたと公表、「ご遺族に心よりお悔やみ申し上げる。農水省はWTO交渉をはじめ、国内の農政改革を続けているなか松岡大臣は陣頭指揮をとって臨まれていた。誠に残念でならない。深く哀悼の意を表します」と述べた。
 小林次官によると、官邸での事務次官会議から農水省に戻った正午過ぎに一報を受け搬送先の病院に駆けつけた。関係者とともに松岡大臣の死亡を確認した後、官邸に向かい塩崎官房長官に報告したという。
 最後に会ったのは先週の木曜日で、WTO交渉など「内外の課題が多く忙しいなか精力的に仕事に専念されていた。極めて残念で驚きを禁じ得ない。(体調などとくに変わった)大臣の雰囲気は見受けなかった」という。また、遺書については「確認していない」と話した。
 そのうえで改めて松岡大臣について「政策に精通されていた。WTO交渉でも持ち前の博識、経験と交渉力で取り組まれていた。正念場を迎えるなかでその指導力に期待していたところ」と述べ「今後、交渉力のある大臣が直接担当しなくなるのは残念。引き続き大臣が積み重ねてきた成果を十分にふまえて、めざす成果があがるように事務方としても力を合わせていく」と語った。
 また、国内の農政改革では「輸出促進やバイオエネルギー対策など大臣自身の感性で、従来の農政とは違った切り口でリードしてくれた。本当に仕事に専念されており、信じられない思い。それに尽きる」と重ねて話し、農政への影響が出ないよう省をあげて対応していくと強調した。
 松岡利勝氏は熊本県選出の衆議院議員、当選6回。自民党の農林水産政策の責任者で農水副大臣も経験。昨年の安倍内閣で初入閣した。

◎「慚愧の念に耐えない」宮田勇JA全中会長

 JA全中の宮田勇会長は28日午後、松岡大臣の逝去についてコメントを発表した。
「大臣は農政にご精通された第一人者で生涯かけてわが国農業・農村の発展にご尽力されてきた方であるだけに突然の訃報に接し大変驚いています。今後1〜2か月がWTO農業交渉の重大な局面という厳しい状況のなかで、大臣の指導力発揮を期待申し上げていた矢先、大変、残念であり慚愧の念に耐えません。心からご冥福をお祈りいたします」

(2007.5.28)

 

 

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