農業協同組合新聞 JACOM
   
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平成10年頃から牛挽肉に豚・鶏挽肉、豚内蔵肉を混入
ミートホープへの立入検査で判明 −農水省 (6/25)


 日本生協連のPB商品である「CO・OP牛肉コロッケ」などの原料である牛挽肉に豚肉などを混入したミートホープ(株)と製造元である(株)北海道加ト吉およびミートホープの系列販売会社である(株)バルスミートに対して、農水省は6月22日〜24日、JAS法にもとづく一斉立入検査を実施。その内容を25日明らかにした。
 それによると、ミートホープでは牛挽肉以外の商品でも意図的に異種肉の混入や賞味期限の改ざん、産地偽装を行っていることが判明。田中社長はこれらの行為を不正と認識したうえで、社長自らもしくは社長の意向を受けた幹部社員の指示によって、「常態的に行われていた」ことが確認された。
 牛挽肉については、平成10年ころから、豚挽肉、鶏挽肉、豚内蔵肉または鴨挽肉を混入し、牛挽肉と表示して北海道加ト吉など18社に販売した(18年7月〜19年6月20日までの期間で368トン)。また、これに外国産牛肉を混入したにもかかわらず「国産」または「北海道産」と表示し販売していた。
 これに対して北海道加ト吉の工場長は「牛肉以外の肉が混入していた事実を知らず、商品を製造し販売した」と説明したという。また、この工場長は、本来廃棄しなければならない出荷単位に満たない業務用冷凍コロッケを14年2月から約2年間、1個5〜10円の単価で3万個〜8万個をミートホープに販売し代金として30〜40万円を受け取り、会社の利益には計上せず社員の懇親に目的で使用したという。ミートホープはこのコロッケを外食などに販売してとみられる。
 このほかミートホープのJAS法違反は10件にのぼり、農水省はミートホープの牛肉などの流通経路の解明や販売されていた商品の不適正な表示状況について追跡調査を実施していく。

◆30件中26件で不正表示

 (独)農林水産消費安全技術センターは、(株)北海道加ト吉がミートホープ(株)から仕入れた挽肉を使用して製造した冷凍コロッケの原料肉の判別(牛・豚・鶏)分析を実施した(PCR法による遺伝子分析)。その結果、分析をした30点のうち26点で表示原料肉以外の肉が混入していていることが判明した。

◆食品表示110番情報を迅速に処理  農水省

 農水省では、今回の事件にかかわる情報が昨年2月に寄せられていたにもかかわらずその対応が遅れたことなどから、疑義情報の正確な記録と迅速な対応の徹底類似事案の有無についての調査全国業者か県域業者かの判断基準の明確化都道府県との連携の強化などを当面の改善方策ととして実施する。
 食品表示110番には、商品への問い合わせを含めて年間およそ1万7000件の情報が寄せられているという。

(2007.6.26)

 

 

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