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「出前農政」できめ細かく −若林農水大臣、再任後の就任会見 (9/26)


若林新農相
 福田内閣で再任された若林正俊農水大臣は、26日初閣議の後正午に登庁し、13時過ぎから就任会見をおこなった。
 閣議では「内閣談話」の申し合わせがされ、農政関係では「格差是正にひとつひとつ処方せんを講じることにより、地方の構造改善に取り組む。小規模農家も安心して農業に取り組めるよう、万全を期す」とされたことを紹介した。
 総理からは、25日の呼び込み時には特に留意事項として「農山漁村の活性化対策、食の安全・安心への取り組み」の2つを指示されたという。活性化対策には攻めの農政、意欲と行動力を引き出す、高齢者、小規模農家への配慮をおこなうの3点を付言されたという。
 若林大臣は(「農水大臣代理、途中からの大臣引き継ぎなどを務めて来たが、)”スターティングメンバー”としては初めて。心を引き締めて取り組む」と、福田首相が自ら「背水の陣内閣」と命名した内閣の一員らしい強い決心を語った。
 農水大臣の発表が最後になったことへの感想を聞かれ、「誰がなってもこの難局の責任ある大臣なので、キッチリ引き継ぎをするつもりだった。私が引き継ぐなら、全身全霊で取り組む覚悟はできていた」と、改めて強い決意を述べた。
 総裁選のさなか、新潟県で民主党の農業政策説明会があり、個別農家への補償など、現在の品目横断的経営対策と異なる方向が示されたが、「民主党案の中味について承知していない。どんなシステムを設計するのか、触れられていないので、協議する状況にない」と話した。ただ、政府・与党の農業政策について「批判があったことも事実なので、謙虚に受け止めていく。新たに制度を作った時は、担当者は自分たちの方法が一番良いと思って、熱心なあまりどう理解してもらえるかを考えず、制度の説明と説得に努めがち」なので、品目横断的経営安定対策については「”ご用聞き・出前農政”をめざし、きめ細かく対応したい。霞ヶ関からキャラバン隊を編成して現場に出かけ、意見を聞いて来た。32都道府県に出かけ、報告が逐次上がっているところ。私も行って来た。補完調査もして、意見を集約し、検討したい」と語った。
 これまでの改革の痛み、弊害などに対し、財政再建、処方せんは可能かとの質問には「改革は痛みをともなうが、それを放置せずに処方をし、ひとつひとつ解決することが求められている。財政健全化は日本経済全体の大きな課題。一定の枠のなかでムダを省き、非効率的な予算の執行を見直し、効率的な予算執行を考えるべき」と述べた。

(2007.9.27)

 

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