農業協同組合新聞 JACOM
   
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食料自給率向上へ強化策を協議 
―農水省・第2回食料自給率向上協議会 (9/20)


 農水省は9月20日、第2回食料自給率向上協議会(小泉武夫会長)を開催し、平成18年度の自給率実績値を踏まえた今後の取り組み強化策について協議した。
 政府は食料・農業・農村計画で食料自給率を平成27年度にカロリーベースで45%、生産額ベースで76%に引き上げることを目標として決めている。政府を始め関係者が一体となり推進してきたにもかかわらず、平成18年度の自給率はカロリーベースで39%と、9年ぶりに低下したのが実態で、先進国では最下位だ。
 目標達成に向けて新しい手法も取り入れ、取り組みを強化することが必要とされる。農水大臣は引き続き危機感を持って最大限の努力をするよう、省内に指示している。
 同日の協議会では、取り組みの視点を、国家レベルの重要課題として、戦略的な取り組みの強化、自給率向上に大きく影響を与える重点品目への集中、消費者・実需者を巻き込んだ国民運動の展開などに置いている。
 取り組みの工程として、項目別の平成19年度、20年度の取り組み方策を掲げた。20年度の対策については、既に予算概算要求に組み込まれているものもある。

【自給率に関する戦略的広報の実施】
(平成19年度)
 食料自給率の現状等についての国民に対する情報発信として、PR資料を作成して農水省のホームページなどに掲載するとともに、新聞広告を実施する。地方公共団体や生産者団体に対し、具体的な行動の働きかけを農水省幹部がおこなう。自給率の向上につながる具体的な行動に関する意識調査の実施を検討する。
(平成20年度)
 専門家のノウハウも活用した戦略的な広報体制を構築する(予算要求額:食料自給率戦略広報推進事業(新規)2000百万円)。

【米の消費拡大】
(平成19年度)
 米の消費が期待される「朝ごはんビジネス」の支援を生産者団体、関係業界、文科省と連携して実施する。
国民の消費動向に対応した消費拡大を都道府県、市町村、生産者団体などと連携して実施する(米粉パン・麺などの米粉製品の販売促進、米油・米酢の需要拡大など)。
(平成20年度)
 米消費拡大事業を見直し、朝ごはんビジネスを支援する事業の立ち上げ、米飯学校給食推進のためのフォーラム開催などを実施する(予算要求額:にっぽん食育推進事業3095百万円の内数)。米粉パン、麺の新規米加工食品を普及・啓発するため、民間団体がおこなうベーカリーへの講習や消費者への商品紹介を支援する(予算要求額:食料自給率戦略広報推進事業(新規)2000百万円、新規米加工品需要開発事業(新規)120百万円)。

【飼料自給率の向上】
(平成19年度)
 耕作放棄地の牧草地化や緑肥の飼料利用の啓発と、取り組みを強化する。改正食品リサイクル法における食品循環資源の飼料化を推進する。
(平成20年度)
 耕作放棄地への飼料作物の作付けに対する新たな助成制度を創設する(予算要求額:粗飼料増産未利用資源活用促進対策事業(新規)605百万円、国産粗飼料増産対策事業(拡充)1989百万円など)。
 農業者・農業団体などが実需者と連携した取り組みを支援する(予算要求額:新規、内数などで6613百万円)。エコフィードの増産をはかる(予算要求額:エコフィード緊急増産対策事業(新規)1030百万円など)。

【油脂類の過剰摂取の抑制等】(省略)

【野菜の生産拡大】(加工・業務用需要対応等)
(平成19年度)
 加工・業務用向けの新たなモデル野菜産地を形成する。産地と食品産業が連携して積極的に国産野菜の利用をすすめる。
(平成20年度)
 中国にシェアを奪われているさといも、かぼちゃ、ごぼうの加工・業務用のモデル産地を形成する(予算要求額:加工・業務用対応型園芸作物生産流通拡大事業(拡充)60百万円)。
 加工・業務用需要に取り組む産地を現在の320産地からさらに増加させる(予算要求額:強い農業づくり交付金(継続)30298百万円の内数など) 。

◆食育推進にも力点置く

【食育の推進】
(平成19年度)
 厚労省、関係業界と連携して「ごはんと野菜をしっかりと食べる」、「脂質の過剰摂取の抑制」など自給率の向上に重点を置いた食育の普及や啓発をおこなう。 外食事業者、小売業者などの店舗で、ごはんの割合が高くバランスのとれた弁当、メニュー、レシピの提供をすすめる。
(平成20年度)
 「食事バランスガイド」などを活用し、品目別の消費拡大をすすめる。朝ごはんの定着、野菜嫌いの解消などで消費拡大の効果を高める(要求予算額:にっぽん食育推進事業(組替)3095百万円)。

 その他、わが国からの農林水産物、食品の輸出が拡大し、その結果国内生産が増えれば食料自給率を高めることになるので、平成25年までに1兆円達成を目標とする「わが国農林水産物・食品の総合的な輸出戦略」に沿った輸出への取り組みを強化することを、自給率向上の方策として掲げている 。

(2007.10.2)

 

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