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飼料価格高騰、消費者価格への反映理解を求めPR活動
―理解醸成中央推進協議会開く (10/1)


理解醸成中央協議会
理解醸成中央協議会

 農水省の「飼料価格高騰等の畜産をめぐる状況変化への理解醸成のための中央推進協議会」(=理解醸成協議会 座長:甲斐 諭(かい さとし)九州大学農学研究院教授)第3回会合が10月1日開催された。飼料価格高騰で畜産物の生産費が上がっており、消費者にも負担をしてもらうよう理解を求めて行くというねらいで、関係者がPR活動を進めるための協議会。今年5月に設置された。
 農水省の本川一善畜産部長は、「消費者の理解を求める活動を続けて行くので、なんなりと要望を出して欲しい」と挨拶した。
 とうもろこしの国際価格(シカゴ相場)が昨年秋以降、一時は1ブッシェル当たり4ドルを超えた。バイオエタノール向けの需要の増加が原因だ。その後、アメリカのとうもろこしの作付けが増え、1ブッシェル当たり3ドル半ばで推移しているが、高水準基調は続いている。
 平成19年10〜12月期の配合飼料価格は、前期(7〜9月)に比べて、1t当たり約290円下がったが、高水準は変わらない。海上運賃(フレート)は、堅調な船舶需要や原油価格高騰のあおりで、上昇傾向を続けている。為替相場も1ドル110円の円高水準と、畜産物の飼料価格は厳しい状況にさらされている。
 農水省は飼料原料を輸入に頼った畜産から、国産飼料を重視した畜産に転換するため、平成18年度に25%だった飼料自給率を27年度には35%への引き上げをめざしている。粗飼料は国産100%とし、飼料米の作付け拡大、緑肥生産農地の活用を図る。濃厚飼料は国産14%とし、食品残さの飼料化、エコフィードの利用拡大を進める。
 中央協議会のメンバーは畜産、飼料の生産者団体、加工・流通業者、消費者団体、学識経験者など20名。活動の内容は、マスコミ等への情報提供、全国8か所に地方協議会を置き、説明会を実施、消費者向けパンフレット(「畜産物の生産コスト上昇にご理解を!」)の作成・配布など。地方説明会は9月〜10月始めに行った。

◆生産、消費者団体も独自に活動

 生産者団体、消費者団体もそれぞれ独自に理解を求める活動に取り組んでいる。JA全農は、生産者団体として生産者、流通業者、消費者の三者が相手先。石巻、群馬、愛知の飼料工場の集約により畜産農家への飼料供給価格を引き下げるほか、組合員3万戸を巡回して飼料情勢を説明した。
 また、黒豚等商談で販売するものは、次期価格交渉に反映させる方針。牛肉輸出も国内価格下支えに活用する。消費者向けパンフレット「エプロン」誌(45万部発行)には飼料価格の高騰にともなう畜産物価格の値上がりについて理解を求める記事を掲載した。
 近畿生乳販連は、8月から酪農の現状を訴える活動や消費拡大イベントを行い、チラシを会場で配った。関東生乳販連も10月に街頭でチラシを配る。中央酪農会議は、10〜12月に酪農をめぐる状況の変化を消費者に発信するための活動を行う。
 消費者団体は、パルシステム生協連が、穀物高騰などにより、畜産物価格を値上げせざるを得ない状況について、組合員の理解を求める情報誌を配布した 。

◆アメリカなど、消費者価格に反映

 アメリカでは、ともろこしの作付け拡大で大豆の作付けが減ったため、大豆を原料にした食用油の価格が上昇し、マヨネーズなどの食品価格にも波及している。また、とうもろこし価格高騰の影響で、2007年の畜産物の消費者物価指数は鶏卵が20%前後、牛肉が3〜4%、乳製品が7.5〜8.5%の上昇が予測されている。アメリカ、オーストラリア、イギリスでは、飲用牛乳の直近の価格が、前年の1〜2割高になっているという。
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 日本では、メーカーなどのハム、乳製品の値上げ発表は散見される程度で、消費者までの流通価格にどのように反映されるかは、これからだ。

(2007.10.9)

 

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