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「東京が世界一高い」は過去の話 −食料品内外価格差


 農水省はニューヨーク、ロンドン、パリなどと東京との食料品の内外価格差を継続的に調査しているが、06年では東京を100とするとジュネーブ128、ニューヨーク120、パリ117、ロンドン98で、調査対象の海外主要都市では東京と同程度かそれよりも上回る価格水準となっている。
 1991年ではニューヨーク、パリ、ロンドンは東京100に対して70〜74で3割も東京が高かった。が、その後、価格差が縮まり最近では価格水準が東京よりも上の都市もあることが示されている。06年調査ではシンガポールが89と低いがソウルも114となっており「東京の食料品価格は世界でもっとも高い」と言われたのは過去のことになりつつある。
 とくに最近の内外価格差の縮小、逆転は諸外国では穀物などの原料価格の高騰を食品価格に転嫁していることも影響している。

◆「マック指数」でも歴然

諸国のハンバーガー価格・表

 穀物製品の消費者物価指数(CPI)は、05年の日本を100とすると、その時点では欧米と日本では上下幅1ポイントも違わない水準に収まっていたが、昨年11月時点ではEU、英国では112近くまで上昇、米国、フランスでも103〜109近くまで上昇している。
 これに対して日本は05年以降低下傾向が続き、昨年12月では上昇傾向を示したがそれでも指数では05年水準の100には達していない。
 このような「もはや日本の食料品価格は諸外国よりも安い」という事実を示しているデータのひとつにマクドナルドのハンバーガー現地価格を比較した「マック指数」がある。これについて農水省は07年7月に米国「エコノミスト」誌に掲載されたデータを整理している。
 それによると日本のハンバーガー1個の価格は2.29USドルと280円程度。これに対しEUは4.17、英国4.01、カナダ3.68、米国3.41ドルだ。軒並み日本より高く、現在では海外のほうが相当割高になっているのが現実。「日本の食料品は高い」、だから、「安い外国産を買えばいい」という話はもう通用しない時代だ。

(2008.2.26)

 

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