農業協同組合新聞 JACOM
   
農政.農協ニュース
高校で弁当販売なども
地産地消を多面的に JA全国女性大会の報告から (1/20)

JA全国女性大会で表彰を受ける活動体験発表者たち=21日、東京・大手町のJAホール
JA全国女性大会で表彰を受ける活動体験発表者たち=21日、東京・大手町のJAホール
 今年のJA全国女性大会は20、21日に開き「食農教育と地産地消運動を次世代へ」など5つの実践を申し合わせた。すでに全国的な地産地消運動で多くの組織が成果を挙げており、大会では盛りだくさんな事例が出た。

 ☆味噌づくり繁盛記

 北海道・JAとまこまい広域女性部厚真支部は、厚真町で転作大豆が増えたため味噌作りに乗り出し、当初の製造量5トンから昨年は18トンを1ヶ月余りで完売。今年は25トンを仕込んだ。
 「自分たちの作った大豆を他人が加工し、それを買って食べている」、そうした不合理に疑問を持ち、自家用を造り始めたが、腕を上げて、その味が好評を呼んだので昭和62年に「おふくろみそ」と銘打って販売を始め、業績を伸ばした。
 やがて女性部の要請を受けたJAが平成7年に熟成庫を備えた加工場を建設した。事業費8600万円。うち3900万円は町が出した。女性組織が行政を動かしたのは、町始まって以来という。今、経営はJAだが、部員111人中47人が「みそづくり実践集団」を組織し、製造・販売を担っている(宮西純子さんの組織活動発表から)。

 ☆おふくろ弁当販売

 山梨県・JA梨北女性部員のグループ「地産地消をすすめる会」は、県立北杜高校(生徒数約900人)で昨年から「手作りおふくろ弁当」の販売を始めた。 「コンビニ弁当を買う高校生も多い。忙しい母親代わりになれないものか」と話し合った結果、学校に提案し「営利目的ではない。育ち盛りにバランスのとれた昼食を」と食育も説明。また試食品も提供した。
 こうして出店したが、自家生産の食材とはいえ、おにぎりと野菜、肉などのセット100円、予約制の弁当350円という高校生の小遣いに見合った値段ではやりくりが大変だという。しかし休業となったJA直営レストランの厨房を借りたりの追い風も吹いた。メンバー約10人が2、3人の当番を組んで、午前8時半から午後2時過ぎまで働き、時給は数百円を得ている(小俣智子さん同)。

 ☆「畑でパート」好調

 富山県・JA高岡女性部は、朝採り野菜を地元スーパーで販売するインショップ方式の「畑でパート50万円運動」を14年度からスタートさせた。自分が出荷先の店を選べるという画期的な企画だ。毎日出荷できる点も魅力の一つという。
 報告者・本田佳子さんの場合、初年度の売上げ90万円から昨年度は140万円と“パート”収入がはね上がった。しかし売れ残った野菜を手に、変化する売れ筋を考え込む日もある。
 初出荷の日は、自分がつけた値段で売れるのか、などとドキドキしたと振り返る。そっと売場へ行き、自分の野菜をカゴに入れ、レジに並んでいるお客を見た時は「やった!」と感激したとのことだ。

 ☆黒豆豆腐を給食に

 香川県農協三木町女性部は、7年前から黒豆豆腐を作り始め、2年前には学校給食の食材となった。献立の日は、早朝からの製造や、7つの小中学校への配達で部員たちは忙しい。
 三木町は県下トップの黒豆産地。これを使った女性部の豆腐が評判となり、地産地消をはかる普及センター、町、JAの協力で学校給食導入モデル事業の対象となった。
 また水質検査や浄水器の設置などJAの支援で、安定した品質が保証された。こうして女性部の加工品は豆腐以外にも黒豆菓子、黒豆味噌へと広がって給食用に供給。メニューを豊かにし、地産地消の推進に役立っている。

(2005.1.26)


社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。