農業協同組合新聞 JACOM
   
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リース特区の全国展開や遊休農地対策盛り込む
ー経営基盤強化法などを改正  (2/21)

  集落営農の組織化や増える耕作放棄地などに対応するため、農水省は農地制度の改正を行う。今国会での改正成立をめざす。
 農業経営基盤強化法では、農用地利用規程に農地の効率的、総合的利用の基本方針や、利用集積目標の明示、集落営農構成員の役割分担の明確化を盛り込み、集落営農の組織化、法人化を促進する。JAグループが策定に取り組んでいる地域水田農業ビジョンを法制度化するもの。特定農業団体、特定農業法人はこの農用地利用規程に位置づけ、その設立に向けた取り組みを促す。
 また、農地保有合理化法人が農業生産法人に農地の現物出資のほかに、農地の売り渡し、貸し付けの際の金銭出資の実施も可能にする。
 農地保有合理化法人が貸付信託事業もできるようにする。農地所有者は、合理化法人と信託契約を最初に結べば収益金(小作料−経費)を受け取るだけになり手続きが簡単になる。また、合理化法人にとっては信託期間中の貸付相手の変更について農地所有者の同意は不要。信託期間が終われば所有者に農地が戻るため安心だという面もある。

■耕作放棄地対策を整備

 構造改革特区で認められた農業生産法人以外の法人への農地リースは、耕作放棄地や耕作放棄地になりそうな農地が相当存在する区域について市町村が参入区域として設定し、参入法人と農業を確実に行うという協定を締結した場合に都道府県知事が認めるよう特定法人貸付事業として制度化する。協定違反があればリース契約は解除される。
 さらに耕作放棄地対策としては、遊休農地対策を都道府県基本方針、市町村基本構想に位置づけ、基本構想に不適合な遊休農地にはその所有者への勧告と是正されない場合の買い入れ協議について、農業経営基盤強化促進を改正。協議に合理化法人のほかに、特定農業法人と市町村を加える。
 さらに協議が不調の場合は、知事が調停し、調停案が受諾されない場合は、知事が特定利用権を設定し、市町村、特定農業法人、合理化法人などで利用できるようにする。
 耕作放棄地に対する特定利用権設定は現在は農振法(農業振興地域の整備に関する法律)で地域の共同利用目的に限定して知事が設定できることになっている。今回は農振法からこの規定を廃止し、基盤強化法に盛り込み共同利用目的ではなく担い手への利用集積を図る目的で特定利用権を設定する。
 そのほか、遊休農地の管理のため市町村長が措置命令を出すことができるようにする。これは病害虫の発生や、土石、廃棄物の投棄が行われる恐れのある場合の措置。所有者が命令に従わない場合は市町村長による代執行が行われる。また、この改正で新たに生産緑地区域も対象とする。
 農振法の改正では、農業振興地域整備計画の策定、変更に際しては、地権者だけでなく市町村住民の意見提出の機会も付与する。

(2005.2.21)



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