農業協同組合新聞 JACOM
   
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ガイドライン決定手続きに疑問、全農に「申し入れ」の意向を示す
―島村農相が会見で発言 (3/11)

 輸入農畜産物の取り扱いは、「国産農畜産物の有利な販売促進のため」など目的を明確にすることを基本方針とした全農のガイドラインについて、島村農相は3月11日の定例会見で「組合員農家から理解を得ているか疑問」と10日の全農経営役員会の決定に手続き上問題があるのではないかとの認識を示した。
 会見で農相は、「国内農家の相互扶助を旨とする協同組織の全国連、これが全農本来の存在の基本。輸入農畜産物が国産と競合する可能性がある以上、ガイドラインについて一定の手続きで組合員農家の意向をくみ取って決める必要がある」と述べたうえ、今回の決定について「十分理解を得ているのかどうかということには疑問がある」との認識を示し、「(組合員農家は)内容をよく聞いてまた話し合いをする必要があるのではないか。このような手続きをきちんと経た上で方針を決定すべき。全農に対してそういう申し入れをしたい」との考えを話した。
 しかし、全農の子会社、(株)組合貿易の黒豚輸入問題の調査結果を公表し今後の対応を全農に求めた1月25日の農水省の指示は「輸入品の取り扱いを経営管理委員会(経営役員会)で検討し対応方針を明確にすべきである」というもの。それをふまえて10日の経営役員会で基本的な方針を決めた。また、今月初めから各地で開かれた全農地区別総代会でもこの問題についての意見が出されており方針決定に反映されている。
 農相の発言は、組合員、JAなど現場の意思を反映することを目的に農協法を改正、最高意思決定機関として導入した経営管理委員会制度そのものに疑問を差し挟むものとも言えることから、関係者からは「法制度に基づいた定款で設置した機関。何が問題なのか」と困惑する声も出ている。

(2005.3.14)



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