農業協同組合新聞 JACOM
   
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5年後の輸出倍増を掲げる
−政府、「21世紀新農政の推進」決定
小泉首相「農業は未来産業、攻めていってほしい」 (3/22)

 政府は3月22日夕、「食料・農業・農村政策推進本部」会議を首相官邸で開催し、「21世紀新農政の推進について〜攻めの農政への転換〜」を本部方針として決定した。
 会議では島村農相が小泉首相をはじめ出席した関係閣僚に新基本計画に基づいた「21世紀新農政」について説明。
 3つの柱として、消費者重視の食料供給や農産物輸出促進、農村と都市の交流などによる、(1)農業の新たな価値の創造、担い手への支援の集中や企業などの参入による、(2)農業の構造改革の推進、(3)食料自給率の向上を掲げた。
 また、この新農政の基本方針として「これまでの政策の常識を打ち破り」、「攻めの発想に立った農政」を強調。なかでも16年度で3000億円の農林水産物・食品の輸出を5年後の21年には6000億円に倍増させる目標を掲げている。
 出席した閣僚のうち、小池環境相は、「農業はもともと自然が基盤。他方、農業が負荷をかけるおそれもある。環境との調和が大切で環境保全は農業の価値を高める」など環境重視を指摘、食料自給率の向上には「食べ残しの解消が重要」などと述べた。
 福島外務大臣政務官は「国際潮流を視野に入れた適切な政策。農政は対外政策とも密接に関わる。WTO交渉などでは守るものは守り、譲るものは譲る、攻めるものは攻める、という姿勢が大事」などと述べたが、一方、EPAでは「(日本から)関税撤廃を要求しているものもある」と国際交渉の現実を指摘した。
 また、中川経産相は「6000億円の輸出を目標に掲げているが、一方でWTOでは守るものは守ると言っている。相手国に理解を得るために格段の努力が必要」と強調した。
 これら閣僚の発言を受けて小泉首相は「オランダの輸出額は2兆円になっている。農業は未来産業。攻めていってほしい。明るい展望をもっていきたい」などと輸出促進を強調した。
 推進本部会議は25日に予定されている新基本計画の閣議決定をふまえて、基本計画推進のため関係省庁の連携を図るために開催された。推進本部では食料自給率の状況も含め、輸出目標の達成度や構造改革の進展度などを毎年度、検証していくことも決めた。

(2005.3.23)



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