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EPA進展促す ―農相が省内会合で (4/8)

 日本との間で自由貿易協定(FTA)を軸とした経済連携協定(EPA)交渉を求める相手国が急増しているため農水省は4月8日のEPA本部会合で交渉官を5人から10人に倍増するなど交渉体制を増強した。
 本部長の島村宜伸農相は会合で「意欲的な体制ができた。国益の追求に向け、どんどん交渉を進めて欲しい」とあいさつした。
 新体制は、すでに設けている国別と地域別のチームを拡充した上、横断的な調整にあたる分野別チームを新設した。原産地規則やセーフガードなどの問題を調整する。このため国際部の国際調整課は11人から45人に増えた。
 また品目別の戦略方針を策定するため関係局庁との連絡を密にする。関係局庁は業界などとの品目別の調整を行うが、基本的に交渉にはあたらない。

◆アジア域外へも多面的な動き

 EPA交渉に向けた動きは、アジア以外でも4カ国との間で進展が見られ、加速度をつけている。
 チリとは産学官共同研究会をすでに立ち上げ、第2回を4月下旬に開く。またインドとは第1回研究会の開始に向け日程を調整中。
 豪州は3月に外相が来日してFTAの検討を要望。4月中旬には愛知万博に来日するハワード首相との首脳会談を予定。
 さらにスイスとは昨秋の首脳会談でFTAを目ざす話が出て、これも4月下旬に愛知万博に来日するシュミード大統領との首脳会談が注目される。
 すでにFTAを締結した国との間でも、メキシコとは鶏肉の関税率などで再協議課題が残っている。
 一方、アジアでは、アセアン10カ国全体(うちシンガポールとは締結ずみ)との第1回交渉会合が4月15日に始まった。2国間交渉のないミャンマー、ブルネイなども含まれる。
 しかし投資などは一本だが、コメや工業製品などの物資にかかる関税率については2国間交渉となる。
 タイ、フィリピン、マレーシア、韓国との間では、これまでに4〜7回の政府間交渉を実施。うちフィリピンとは昨年11月末に大筋合意に達した。韓国とは年内合意の目標を、昨年末に再確認している。
 今後はマレーシア、タイとの大筋合意に向けて交渉する。タイとは自由化と協力のバランスをとりながら交渉し、タイ側の関心にも最大限に応えた結果、合意は5月ごろとみられる。
 インドネシアとは、4月12日の第3回共同研究会で報告書をとりまとめた。

(2005.4.12)



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