農業協同組合新聞 JACOM
   
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全頭検査見直しを答申 −食品安全委員会
募集意見では反対が7割 (5/6)

 BSE検査の対象から20ヵ月齢以下の牛を除外することなど全頭検査体制の見直しについて厚労省、農水省から諮問されていた食品安全委員会は5月6日、20ヵ月齢以下を検査から除外しても人へのリスクは「非常に低いレベルの増加にとどまる」との結論を出し全頭検査緩和容認を答申した。
 この問題は昨年9月の同委員会「中間とりまとめ」を受け両省が10月にBSE対策見直しを諮問、プリオン専門調査会で検討し3月末に答申案をまとめていたもの。
 その後、4月から国民からの意見募集(パブリック・コメント)を実施した。4月27日の締め切り時点で寄せられた意見は1250通に達し、その約7割が全頭検査見直しに反対だった。賛成は約2割で残りはどちらとも言えないという立場だったという。多数の意見を受けて当初はプリオン専門調査会を改めて開き答申案を審議する予定もあったが、委員から審議が必要との声がなかったといい、一部修正のうえほぼ原案どおり委員会に提出された。
 委員会では、専門調査会が出したBSE対策実施後の20ヵ月齢以下を検査から除外してもBSE汚染の可能性はほとんどない、との結論は「納得できる説明」との意見が出された。ただ、「7割の反対意見があったことは無視できない。多くの人が全頭検査は安全・安心のための対策と思っているが、オールマイティではなくSRM(特定危険部位)の除去が大事だということが理解されるには時間がかかる」との指摘や、「リスク管理のあり方に対する意見が多かった。国民の不安を取り除くためのリスクコミュニケーションを続けるべき」といった国民の理解を広めるためのリスク・コミュニケーションの継続やリスク管理体制のチェックの必要性が指摘され、これらの意見も合わせて両省に答申することにした。

■消費者からは反発の声も

 答申の結論は全頭検査緩和を容認するものだが、同時にSRM除去について、と畜の際のピッシングの中止に向け目標を設定して取り組むことや、輸入飼料についての検査・指導体制の強化、より感度の高い検出方法の開発なども盛り込まれている。また、こうした対策の実効性が確認された後に月齢見直しを行うのが「合理的な判断」との意見や、検査感度の向上に取り組んでも全頭検査体制がなければ若齢牛での検査成績評価ができない、などの指摘にも留意するよう求めた。
 会場にかけつけた消費者からは「たとえば、実際に輸入飼料に動物油脂の混入違反があるのが実態。まだ議論すべきことは多く規制の緩和には反対」といった声が聞かれた。また、委員会に寄せられた意見には「全頭検査の結果、若い牛からもBSEを発見できた。BSE根絶と食物連鎖からの排除には全頭検査はもっとも有効」といった声もある。リスク管理体制の一層の整備と国民への説明が今後さらに求められる。

(2005.5.10)


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