農業協同組合新聞 JACOM
   
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7月に全国集会や国際シンポジウム 全中がWTO対策で (6/21)

 WTO農業交渉の最終合意内容を方向づけるモダリティ(農業保護の削減ルール)の議論が7月中旬から本格化する。グローサー議長は7月12、13日に中国の大連で開く非公式閣僚会議の前に、モダリティの素案を示し、加盟国の協議を経て、7月末までに第一次案をまとめ、その後、これをたたき台に交渉に入る。12月に香港で開く閣僚会議が大きなヤマ場となる。
 JAグループは、これにぶつけて7月11日に都内でJA全国代表者集会と国際シンポジウムを開き、「多様な農業の共存」を基本とした日本の主張実現へ意思結集をはかる。500人規模を予定。シンポには欧州連合(EU)などの農業団体に参加を呼びかける。政府・与党への要請も行う。
 7月末のたたき台で示されるのは、各国共通ルールの要素となる。その後、交渉は、関税削減率など具体的数値を含めた議論を詰めていくことになり、順次重要度を上げていく。
 そうした中でJAグループは、次の4課題を重点に運動を展開。その実現に向け、国内での幅広い合意形成や、海外農業団体との連携強化に取り組む。
 (1)多様な農業の共存を促進する農産物貿易ルールの確立、(2)将来にわたって不安のない国境措置の確保、(3)新たな基本計画の具体化に支障のない国内支持ルールの確保、(4)効果的で厳格な輸出規律と円滑な食料援助の確保。

◆アジアの小規模農業者に役立つルールづくりを全中の「レター」から

 関税引き下げの階層方式から別扱いされる「重要品目」の指定品目数を多くしたい食料の輸入国と、絞り込みたい輸出国が対立している。だが「アジアの事情は、そう単純ではない」とJA全中の「国際農業・食料レター」6月号が指摘している。「協力のためのアジア農業者グループ」(AFGC。9ヶ国の農業団体で構成)の5月の会合で浮上した重要課題だ。
 レターによると、マレーシア政府は「途上国からの輸出を制限しないことが重要」だと主張したが、これは、企業的経営によるパーム油などを輸出していることに「つながっているようにみえる」というのが農業団体の話だった。一方、小規模農業者が作っている農畜産物については、輸入を増やしたくない重要品目も多いとのことだった。
 同国は、輸出国からなるケアンズグループの1員だが、同じグループのタイは農産物の大輸出国だ。このため輸出を増やす意図が強い一方、小規模農業者が生産している幾つかの重要品目もあるため、これへの配慮も反映した主張になっているようにみえるというのが農業団体の見解だったという。
 またインドのような広大な国では、各地域によって異なる重要品目があり、数品目ではカバーできないとの主張もあった。
 こうしたことから、レターは、アジアの農業団体は、小規模農業者に役立つルールづくりが必要であるとの見解で共通しており、これを実現するためには「今後とも互いの連携を深めることが重要」だとしている。

(2005.6.21)



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